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映画「マイノリティリポート」

マイノリティ・リポート
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント (2003-07-01)
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映画「マイノリティリポート」を見ました。スピルバーグらしいいい映画だと思った。「A.I.」の時の散漫でバブリーなお金の掛け方を観たときはホントどうしようかと思ったけど、今回はストーリーに沿った部分をちゃんとがんばっていた気がする。


時は2057年。近未来よりちょっとだけ先、でも見えているギリギリの未来の世界ってとこかな。御伽噺と現実の中間地点と言うか。未来予知が出来るシステムが構築されたことにより、あらゆる殺人事件を未然に防ぐことができるようになった。つまり殺人犯は「殺人をする前に」「まだしてもいない殺人について」殺人容疑者として捕まってしまう。これによって過去6年間には一人も殺人による死亡者は出ていない、と言う設定。


街には網膜スキャンシステムがありとあらゆるところに設置してあって、どこの誰がいつどこを通ったかというのが国で管理されている。町を歩いてもスキャン、電車に乗ってもスキャン。立体映像による広告はすべて自分への名指しで飛び出してくる上に、好みの商品まで薦めてきたりする。でも「1984」的な冷たい管理国家ではない。人々は今と変らず明るくのんきに暮らしている。現代の延長線上にフツーにあり得そうな程度の管理体制をそんな風にさらりと描いている。


そんなモチーフだけで、あぁ科学万能主義への警鐘ね? と思うのはいささか判断に急ぎすぎている。未来予知システムがいわゆるコンピューターではなく、電極と予知夢を投影するディスプレイをつないだ3人の人間であることを序盤に知らされ、やや動揺する。


トムクルーズはそこのチーフと呼ばれていて、現場レベルの最高責任者。課長みたいなもんだろうか。幼い息子をプールで行方不明にした心の傷と、未来予知システムに絶対の信頼を持ち、正義感にあふれている。でも薬もやってる。


やがて何故か自分が未来の殺人犯であるとの予知がされ、トムクルーズの逃走劇が始まる。息子の誘拐への真相究明を絡めた一連の流れは、映画「逃亡者」を思わせるようにスリリングだ。


そして事件が思わぬ展開を見せる。ここまでがセオリー通りの予定調和なら、それがほころびを見せてくる。真相に行き着くためにトムクルーズはありとあらゆる手段で立ち向かう。


CMで見せる華のある映像とは異なり、ストーリーに直結する部分では意外にSF的要素は控えめで、未来予知システム以外は、普通の現代物のサスペンスに近いアナログ的な高揚感がある。何が起こっても力で解決!みたいな感じ。でも記録メディア自体がサムネイルになっているアレはちょっと素敵かも。エロ画像しまえないけど。


また日本の漫画に対するリスペクトも各所に感じられる。多分アニメ好きSF好きな人が見たら怒りだすような場面も多いのかもしれない。


そしてちょっとしたお笑いのエッセンスも程よく盛り込まれている。背中にロケットを積んだ警官と格闘するときに、飛び込んだ家のハンバーガーをその火でちょっと焼いてしまうとか。安アパートに蜘蛛型の網膜スキャンロボを巻いたら、夫婦喧嘩を一瞬中断してスキャンさせる夫婦や、交尾の最中に水を掛けられた犬のようにベッドを飛び出してしまうカップルがいたりする。爆笑はしないけど、架空の物がちゃんと生活の延長に実在している感じっていうのをうまく表していると
思う。


でもまぁ、結局何が言いたかったんだろうって映画を見終わって思っちゃったのも否めない。多分短くまとめると「運命はおおよそ決まっているかもしれない、でもそれでもあがくのが人間なんだよ」みたいな? その辺は娯楽映画として瞬間瞬間のドキドキで元を取るしかないのかな。僕? 僕は取れましたよ。