lovefool

たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

2代目


どうぶつの森+の時計を進めすぎて、今日がクリスマスイブのたかなべです。罪悪感、罪悪感。


けいちのサイト「DUFFLE COAT」がオープンしてたぶん2週間が経ちましたが、これがもう文句無しにすばらしい。フツーに日記が書いてあるだけなんですけど、特にこう読ませたい、こう感じて欲しい、ここを共感して欲しいっていう指向性を持っていないのにも関わらず(目的地がはっきりしていないのに)、あんなに長い文章を飽きさせずに最後まで必ず読ませてしまうのは一体どういう才能なんでしょう。なんか天気のいい休日に案外早起きできちゃったみたいな、そういうすがすがしさ&お得感がめっちゃあります。


ラヴフールを見に来てくれる人の中にはスーパーカー繋がりで来てくれてる人も少なくないんだけど、4人のうち、誰が好き?と聞くと、まず間違いなく「ジュンジ」と返ってきます。実は僕はその返事が不満です。多分、ラヴフールの読み物を楽しみにしている人たちは言語野で物事を感じている人達がほとんどなのでしょう。僕は自分が言語野で生きている人間だと自覚する一方で、もっと言葉に置き換えられない表現に挑みたくて、でもその方法がまだ形になっていなくて、結局手っ取り早い「言葉」の、ほどほどの変換効率に慣れてしまって、それに頼っている自分が嫌です。だからラヴフールに来てくれるみんなが「共感した!」って言ってくれると、フツーは喜ぶべきことなのに、実はちょっとへこんでいます。だって、そんなんただの「言葉」じゃん! もっと言葉以上の何かを伝えたいんだよ!って、まるでモラトリアムな子供のようにじたばたしちゃうのでした。



2001年12月17日(Mon) の日記でけいちは次のように話しています。

スーパーカーのメンバーの中では僕はジュンジが一番好きなんですけど、それはなぜかというと、彼は感性と理性の間で生きているから、左脳と右脳の間で生きているから、そのバランスが好きなんです。そのスタンスに共観できるというか。


えーと、僕はスーパーカーではジュンジが一番苦手です。ナカコーの作る圧倒的な楽曲を前に、いつも理性に揺れていて、なんだか斜めに詞を刻んだりして、まるで、臆病な自分を見ているようで、可哀相になったりします。ものすごい妄想です。きっと彼は他の3人のうちの誰にもなれないことをはっきりと自覚していて、自分の持ち場である作詞が「言葉遊び」や「音合わせ」に終わらないように、理性と感性を天秤に掛けて構築と破壊を絶えず繰り返してる感じが痛いぐらい伝わってきます。ものすごい妄想です。けいちにもそれを話したけど(しかも初対面で)、譲りませんでしたね。


けいちは日記でこう続けます。

今回のインタビューで、彼はクリエイティビティに関して、他の3人に比べて自分が劣っていることを素直に認めています。でも卑屈になるのではなくて、その中で、自分が、そのクリエイティブを、音とは別に、コトバという、人間が、たぶん最もイマジネーションを掻き立てられるモノの一つを使って、サポートしていく。崇いサポート。音とコトバは同じ、いろいろな音やコトバを集めて、組み合わせて、美しい世界を創り上げていく。そしてそれはモノマネになってはいけない。本当にそうだよ、と思いました。僕は、もう一言、そういう音とコトバが混ざって、一層美しくなる世界観をスーパーカーは持っているとまで言ってほしかったんだけどな。


けいちの姿勢ははっきりしてます。潔く、昨日より少しでも前に進もう、真摯であろうとする気持ちを応援する。ただそれだけに忠実です。進んでいようが、止まっていようが、現在、前を向いている人は方法を問わず応援してます。それも無責任に「がんばれ」とは言わずに、自分と自分に関わる人の今と明日のチカラを信じる感じ。迷いを肯定しながらも、同情はしない。相
談を持ち掛けられても安易な決断を促さない。でも強いサポート力を感じます。大丈夫!がんばって!という安心感ではなく、なんかジョジョでいうスタンドみたいな、目に見えなくて寡黙なのに、しっかり支えられてる感じ。そのチカラは一体どこから生れるんだろう。



2001/12/12(Wed)の日記を読むと目眩がします。もう全文引用。

飛行機雲

今朝、資源ゴミを出して、
遅刻しそうで急いで駅を向かおうと思って、
ふと空を見上げたら、青い空を飛行機雲が走っていて、
写真を撮ったら、近くにいた、おばあさんとそのお孫さん
(たぶん。男の子と女の子)が、
なんだろう、って感じで空を見上げて、
「ひこうきぐもだー」と喜んで笑っていて、
朝からちょっと良い気分でした。


"strawberry shortcakes"、"FEEL YOUNG"最新号。
彼には付き合っている人がいて、
でも私は彼のことが好きで、
本当はホテトル嬢をしてるけど、
彼と会うときはラフな格好をして、
なんかのバイトしてるって適当に答えて、
スーパーで買った野菜を、実家からたくさん送られてくる
って言って彼にあげて、
仕事をしているときは、
彼のこと考えてオナニーでもしている方がましって思ってて、
彼とはシラフで話せないようになってきて、
ついに彼の部屋へ行って、1回だけしようよって言ってしまって。


そこから前へ進むと思います。
たぶん、そんなことしても何も始まらない
って多くの人が言うと思う。
さびしくて体を触れ合わせても、空しいだけ。
二人が愛し合えるようになるわけじゃない。
でもその空しさから前へ進む。
空しいと思うから、自分で自分を何とかしようと思うはず。


空は新しい始まり。
また新しい朝がきて、大きく広がる青い空を見て、
リスタートすれば良いのだと思います。


わかりますよね。カンペキ。


僕は今月いっぱいで5年9ヵ月働いた会社を辞めるんだけども、渋谷で初めてけいちに出会った日、新しい会社に送る履歴書を、松崎ナオのライブが終わった後の喫茶店で慌てて書いた。行きがけに撮ったインスタント写真を切り張りして、封筒を糊付けして、その足で見たこともない会社のビルを深夜に彼とカナと一緒に探して、やっとみつけたそのポストに、精一杯の気持ちを詰め込んだのだった。その瞬間、冬のはじめのその夜に、一人よがりかもしんないけどすごい満足感があった。なんで初対面の人とそんなことをしようとしたのか、思い返してもよく分からない。でもあの場所のあの瞬間にはカナやけいちにいて欲しかったんだよね。手で届けなくちゃいけない気がしてたんだよね。不思議な人に出会ったなぁと思ってる。2002年はあの日、けいちに会った日から始まるんだと思うと、なんだかちょっといい感じです。


家で「DUFFLE COAT」を読みながら、「すごいね、感動しちゃうね」と話したあげく、有り余る感動を伝えたくてカナに「いやー、ラヴフールがもう続けられなくなったら、屋号を譲ってもいいわー」って言ったら、「そんなん、いらん」と言い終わる前に返されました。いいじゃん2代目襲名で。問題ないじゃん。つーかもう明日から頼むよ、いやホントに。


そうそう、いつかラヴフールでけいちのコイビト募集をしてくださいよーと本人から言われていたので、今回の記事を読んで目がハートになった女の子はメールなりなんなりするがいいと思います。おそらくデートが佳境になった時間を見計らって、必ず僕が断りようのない種類の電話を掛けますけど、気になさらずに、4649。