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映画「サトラレ」

サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS [DVD]

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ビデオで映画「サトラレ」を見た。安藤政信主演のアレですわ。なんかすごく評判が良かった気がしていたので身構えて見ていたら、タイトルが表示されるまでの15分近く、ずーっと世界観の説明台詞のオンパレードで、その説明される世界観というのがマンガが原作のせいもあったんだろうけど、安っぽいSFのようなシーンが多くて、すごく萎えてしまった。別にわざわざ実写の映画にしなくてもいいじゃん、こんなん、とか思っていた。でも前半の何だろう、ちょっとおちゃらけたパニックムービーっぽいシーンを終えて、物語としての押さえておきたい前提が説明し終わって、安藤政信の演じる主人公のパーソナルな事件にぐぐぐっとカメラが寄っていくと、自然にその内面に同調できるようにすっかり自分がなっていて、後半はどう考えたって泣かせようとしてるだろうっていう大したことないストーリー(外科医になった主人公がおばあちゃんの膵臓ガンを治してやるーとかって話)なのに、よゆーで泣いちゃう自分がそこにいることに気づくのだった。しかも3回とか4回ね。


物語はシンプルに終わる。でもそこから先の方が実は重要で。今回あらすじを書かないのもそのせいなんだけど。コミュニケーションとか思いやりをもっと大事にしようよってことをすごい素直に楽しく見せてくれる。人は言葉でばっかり相手を理解しようと思うけど、それだけじゃないはずじゃない? 相手が自分の前にいない時だっていろんな想いはいろんな場所で交錯しているわけで。目に見えてる部分だけが付き合いじゃないだろうし、あなたや自分のことを不快にしたくて生きてる人なんて一人だっていないはずだってことに、割と自然に気づかせてくれるっていうかね。それがうれしかった。キャスティングもよかった。安藤政信の何とも言えないあのイノセントな表情、内山理名のなんかむかつくとことか、鈴木京香の年甲斐もなく恋愛に巻き込まれそうなひたむきさとかね。映画館よりもレンタルビデオの方がなんとなく向いているって感じのさわやかさでした。オススメです。80点。