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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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ゲームレンタル


今週もまたゲーム業界に大きな動きがありました。毎日ニュースを見るのが怖いくらいだよ。まずひとつめ「セガがゲームのレンタルを開始」。まるでビデオのように、何百円かでゲームを一週間とか借りたり出来るって話しですね。そしてふたつめ「セガがゲームの続きをネット上で販売」。ゲームのメディアを1000円とかで安く売って、2割ぐらい体験させたところで、続きをしたかったら残りのお金をもらって(4000円〜6000円)、その先を遊ぶための「鍵」を買ってもらうというもの。三つ目が「NTTコムが iモードの勝手サイトの料金徴収を代行」。これ、コンテンツ業者としては相当、ショッキングな出来事。大富豪で「革命」がでちゃったような感じ。すげえよ。


レンタルは、ニンテンドウ64も実験的にはやってましたね。「ゼルダの伝説」が出たばっかりの頃に、こんなにいいソフトがあるんだからハードの台数を伸ばしたいっていう試食会的な意味合いでやってました。でも今回は商売にするって話し。どうですか? 続きをするためにお金を払うっていう方にも通じるけど、今までは最初に払うお金が大きいという理由で躊躇していたソフトっていうものが確かにあったかも知れない。レコード屋の試聴ブースに相当するものや、体験版や廉価版パソコンソフトみたいに、いろんな角度からユーザーの生活に切り込んでゆくっていう姿勢はいいと思います。だけど20万枚をヒット作が社運を掛けたような大河ソフト(手間やお金がとにかく掛かっているというもの)しかなくなっている現在、今までの文法で「目立たないけどすばらしい出来」のソフトにまでユーザーの関心が届き切らないのも事実です。ドリームキャストが最近の充実感を置き去りに、ムードだけでプレイステーション2に一瞬で追い抜かれたりするような時に、これは試供品を配るってぐらいの痛々しい最後の手段。要するに先を買ってくれる保証はないわけですから、開発者として今まで以上に売り上げの予想は立たないし、売り上げ予想が立たないってことは、上司を説得して予算を捻出しづらいってことですよ。ゲームの売り方の選択肢としては製造費の安い光メディアになってから、ずっと考えられてきたことの一つではあると思うんだけど、選んじゃいけないんだろうなーって同業者なら普通に感じていたはず。もちろんメリットがないこともないです。メーカーが頭を悩ませているという「中古問題」、これがネット上で鍵を買うという点で、解決がかなり期待できる気がします。1000円で売っているものをそれ以上の高さで売る中古っていうのは原則としてあり得ないはずですから、差分で利益を得ている中古ソフト屋は厳しいでしょう。ただ、これはセガのソフトに限ってのことなので、ハードがマイノリティである現在、今以上にソフトがユーザーに届きにくくなるという弊害も併せ持っているわけですね。僕はこっちのリスクの方が大きいと考えています。これからのネットワーク社会(というものがあるとして)の中でのゲームソフトの理想の在り方の一つだとは思うので、全てのソフトが(ゲームに限らず)従量的な課金になっていくことに関しては大賛成です。だいたい音楽でも一回しか聴かなかった奴と一万回聴いた奴が同じ3000円っていうのは、単純におかしいとお小遣いが1000円だったときから思っていたからね。そういう視点でいえば、確実に前に向かっているんだなぁとうれしく思えたよ。


最後に iモードの勝手サイトの料金徴収を代行の記事。これは痛い。ここに書いてあることが本当なら、もうオフィシャルサイトとの差別化が「メニューリスト」に載るか載らないかの差でしかないのならまだともかく、むしろこっちの方が恵まれている可能性の方が高いんですわ。ファイルのダウンロード課金が始まることが事実であるなら、着メロや待ち受け画像の図鑑形式のサイトや、のめり込み具合をコインを買うことで調整したいような賭け事系のサイトなんかは、月額300円が上限の徴収量であるオフィシャルサイトに対し、仕様の工夫でいくらでも従量課金に近いことを盛り込めるはず。こちらも前述のゲーム切り売りと同じく、いずれ来るであろう未来のためにほんの少し、あるべき姿に近づいた(でも乗り越えなくちゃ行けない現在の問題は気が遠くなるほど山積み)っていうそういうショックな出来事でした。今週も悩みは続きそうです。むー。