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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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ネットアイドル


ネットアイドルっているじゃんよ。自称とか他称とか、コスプレとか目立ちたがりとかプチアイドルとか地域限定とかそういうの。仕事で思うところあって、いくつかそう言うページを周ってみた。もう実際にモデルの仕事で食べている人がより知名度を上げるために設置しているものや、独特の世界で見る人を圧倒しちゃいそうな不思議ちゃん、あとは自分が好きでたまらない人かな、やっぱし。たいていの人にはトップページにネットアイドル繋がりの投票装置やランダムリンクバナーがたくさん付いていて、ファンの人が作ってくれたっぽいお花畑や海やなんかとCGで合成されたお気に入り写真がバーン!って出てくる。中には笑っちゃうと言うか、ネットアイドルというジャンルを借りた高度な批評芸術なんじゃないかって思えるくらいおっかしいのもあったりして僕なんか違った意味で大喜び。で、決め決めのポーズやお気に入りの表情や、こう泡だらけの入浴写真(誰が撮るんだろう?恋人?)とか、顔アップばかりが延々続くページとかをめくって、プロフィールをいくつか読んでふと気が付いたんだ。自分をあらゆる面で知って欲しい彼女たちはプロフィールの中でも「好きなもの」「嫌いなもの」に大きなスペースを割いているんですわ。その特に「嫌いなもの」の欄をゆっくり眺めるとその人の性格がどこに根ざしているか、ものすごくはっきりする。それは「嫌いだから近づけないで欲しいもの」の宣言であると同時に「無意識下に自分の性格の醜い部分」を宣言しちゃっているから。



例えばあるネットアイドルCさんは嫌いなことの欄に

成金みたいな人、オトコのくせにブランドで身を固めている人、香水の匂い、お風呂にあまり入らない人 不潔な人、あんまりかっこよくないのに自分ではかっこいいと思っている男、トリニク、グリンピース、ヒカリモノ、イクラ、ジェットコースター、2人っきりのエスカレーター 夜道、満員電車、オヤジの体臭、オバサン、かわいくないコドモ、ケチ、公園デビューのママ達

と実にたくさんのサンプルをあげています。(ホントは全部にその理由まで付いていたけど割愛)。写真を見ずにこの文字列だけ抜き出して読んでみても、なんつうか縄張り意識や、自意識や、対外的な意思表示の仕方に敏感な人なんだろうなと感じます。で、これらを一つ一つ否定していくことで、彼女の人となりや価値観は守られているんだろうなぁって思うと自然に深ーいため息が出ちゃうのだった。ジャンルは違えど、そうやって切り捨てることで自分を守っている人って言うのはネットアイドルの半分以上の人に当てはまっているように見えた。普通の娘のページはそんなことないのにね。不思議だよね。参考までにCさんの好きなモノはお金と特定のブランド、荷物を持ってくれるやさしい人、だそうです。そんなの言うまでもないか。


あまりにわかりやすい例過ぎたので、なんか断罪したみたいになってしまいました。言い方が悪かった。ごめん。何が言いたかったかって言うと、例えば「知識」って自分の知っていることしか披露できないじゃないですか。思いつくことっていうのは一度何らかの形で体を通過したものの中からしか出てこないし、感覚になんとなく引っかかる「好き」と「嫌い」っていうのも、やっぱり無意識下で意識していることしか映し出さないんだと思うんですよ。そうしたときにもし「ネットアイドル」という形を通じてでも「表現」をするんであれば、やっぱり自分の積み上げた欠片がどこへ向かっているのか、何を形作っているのかとか、客観性とまでは言わないにせよ、振り返る気持ちを持っていて欲しいなぁと思った。そもそもアイドルってそう言うことにこそ一番気を遣うはずの存在じゃない? 今日はそんな老婆心な話し。はい、おやすみー。