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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

網の目


電話が変わって2週間ほど経ちました。ぽつりぽつりと入るメールが、突然の贈り物みたいでかなりうれしい毎日です。またね、この電話の変なところを見つけたんだけどさ、メールをサーバーに取りにいくとさ(取りに行くまで来てるかどうかわかりません)、メールのヘッダーに記された時間が「僕がサーバーの取りに行った時間」になってんのね。こんなんで誰が便利なんでしょうか。だから、せっかく届いたお手紙もどれぐらい前に僕に投げてくれた気持ちなのかわかんないの。かなりちゅうぶらりんな感じ。切ないメールとかさ、深夜に書いたのか、朝に書いたのかでかなり受け取る気持ちも違うと思うし、うれしいメールだったら一秒でもはやく気づいてあげたいじゃん。そういうことにぜんぜん無神経なのだった、この電話は。


朝とか夕方に見る空が冬は綺麗で好きです。朝はなんか田舎の朝のように空気がキンとしてて、深呼吸すると頭の後ろまで透き通るような気になるのが好き。のっしのっし、大手を振りながら会社に向かいます。夕方も3時ぐらいで世界がオレンジ色。それもちょっと古い写真のような微妙な色になんのね。70年代のドラマの中に住んでいるような気になって、やっぱり冬でも下駄かしらね、とか、長髪とベルボトムいっとく?とか訳のわからない自問自答を会社の窓越しにしてみたりな。


最近、小学生っぽい文化に興味があって、朝は6時45分の「おはスタ」に始まり、コロコロコミックを買って読んだり、道を歩きながらハイパーヨーヨーしたり(古い)、ポケモン金銀を目が赤くなるまでのめり込んだり、毎日買うお菓子は必ずおまけつき、マクドナルドに行けばハッピーセット(週2回以上)、ドラえもんの映画の単行本なんかも集め始めました。


これがね、あなた。楽しいのよ。底がないと言うか、きりがないと言うか、同じ情報やテクニックを共有していくことで、コミュニケーションが線形から網状のモノになって、より複雑で新しい波を生むのね。ポケモン関連のグッズ(ゲーム各種、カード、アニメ、映画、コミック)なんかはもうその最たるもんで、入り口があらゆるところに用意しながら、いったんその中に入ると情報が既に立体的に組まれていて、例えばお菓子のおまけから入って、本家のゲームを知ったり、ゲームでは静止画の一枚絵でチープな電子音なポケモン達の鳴き声も、アニメを見た後では頭の中で生き生きと再生されたり、そういう複雑な仕組みが他に類がないほど進化している。


ただ僕は自分が自由にできるお金を程々に持っているし、そこそこに忙しいので、片足だけを突っ込んだり、どぶーんって漬かってがら、すぐにざばっと上がったりもできるけど、少ないお小遣いの中で子供(小学生低学年以下)が、その網の目の中に入っていくのはどうかなーって思ったよ。お金があって、その情報を適度に循環できてる間はいいんだけど、それを絶つと、あるいはやむなく絶たれるとほんとどうしようもなくなっちゃうんだな、今のコミュニケーションは。まるで携帯電話を止められた高校生みたいな感じ?


考えてみれば、小学生の頃って言うのは周りと同じ情報を常に持っていないと居心地の悪い時間だったなぁ。小学生に限らずそういうなんとなくだけど輪の中に自分がいないとどうしようもないムードって言うのは、昔よりずっと強くなっている気がする。新規格の携帯電話やメール用携帯ツール、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」なんかの人気ゲームの続編、女の子が下げてるお決まりのおっきな紙袋。コロコロコミックのカラーページに載っているおもちゃ屋からの新しい「しかけ」を見ていると、なんかそれに属さないとダメなんじゃん?って具合に脅迫されてるみたいにも感じるのだった。そういうのを明らかに「避ける」んじゃなく、もっと気楽に自分のものをつかんで生きていきたいな。言うのは簡単だけどな。