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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

メール


まーた、やっちゃいましたよ。メーラーが壊れて大事なメールやわりとそうでないメールも全部全部弾けて消えた。何もかも全部です。さようなら。


昔ね「家が火事になってひとつだけ持ち出せるものがあったら何を持っていく?」みたいな話しをしたことがあって、その問いに僕は「手紙」と答えて、一緒にいたうでっちは「マックのMOかな」って答えた。それを聞いて僕は「マックのMOだなんてさみしいものを持ち出すんだなぁ」のようなことを言って、ずいぶんバカにしたものですが、自分の家のマックが電話線に繋がり、そこでしか得られなかった関係が網の目のように拡がってしまうと、どうしてもそこで交わされた想い、すなわち「テキスト」なんかを保存せずにはいられなくなって、それらを含んだバックアップをMOって言っているんだったら、自分の言ってた「手紙」とどう違うんだよっていう堂々巡りに今日辿り着きました。なんだよ。一番大事なものは二人とも同じだったってことじゃんか。


新聞の記事にもなったけど、「ゲームセンターの売り上げ」がここ数年間どんどん落ちているわけですが、その大きな原因の一つに、学生の限られたお小遣いの行方に携帯電話の使用料がぐぐぐっと増えたことがあげられるそうな。


まぁ、僕なんかは電話もそんなに掛けないし、絶えず外界と繋がってなきゃ不安ってなこともないんだけど、首から携帯を下げて歩いている女の子とか見ちゃうと、生活の主要な部分にそれが属していることがよくわかる。一人でゲームしているよりか、ずっと大事なことが得られる気がするもんね。例え無駄話しに聞こえるようなことでもね。掛かってくると自分が必要とされてる気がしてうきうきしちゃうしね。


メールが全部消えてしまったのは実はもう3度目で、あまりの辛さにもう涙も出ないくらいあっさりさっぱりした出来事だ。僕が筆無精なせいもあって、せっかく大事な手紙をもらってもヒトツキフタツキ返事を待たせるもんだから、全部の手紙を合わせても300通ぐらいしかない。でもその一通一通が掛け替えのない、すごい手紙ばっかりで、紙でもらう手紙よりずっとずっと濃いファンレターや、ラヴレターなんかもあったよ。できれば墓場まで持っていきたかったんだけどなぁ。無理みたいね。


これが紙の手紙だと思うと、けっこう泣けてくる。もう家が焼けたのと大差ないかも。ネットに繋がってみても、なんか自分の家なのに他人の家のようによそよそしく感じちゃったりして、コンピューターがいかに匂いに敏感なものかを痛感します。


コミュニケーションを抜きにした経験や時間っていうのはこの世に存在しないので、思い出というのは一人じゃ作れないってことがよくわかります。くだらない出会いや無意味な時間が存在しないように、僕らは誰かと繋がっていることで前に歩いていけるのかも知れない。


振り返るばかりの思い出は湿っぽくて嫌だけれども、手紙は意志を向けた相手の手元で残ることを前提にしたメディアだから、電話とは違うね。跡形もなく消えてしまうって言うことが、ものすごいショックなことに思えてくる。もうこんな悲しい目に遭うのはうんざり、とかね、失恋したようにやけになったり。


だけど、また1からやり直す。そんで自然に新しい網が紡がれていく。再生される細胞のように、そこにはみずみずしい力が溢れていることだろう。