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「どこでもいっしょ」と「検索エンジン」


お久しぶりです。こんにちわ。今日は結構まじめな話し。もう鼻息あらげて著作権表示とかしちゃうよ。「どこでもいっしょ」と「検索エンジン」の未来についてです。それではどうぞ。


このページを見られる環境にいるみなさんは、生活にインターネットという世界に触れる窓を身近に持っている恵まれた人たちだと思いますが、自分に興味があって知りたい情報があって、その情報について記されたページを探すときどうしていますか? 大抵の人は検索エンジンを使用して、なるべく広い意味で検索が掛かるような単語に置き換えて、効果的に情報のリストをつくり、その中から取捨選択しているんじゃないでしょうか。マックOS8.5以降を使っている方はより便利な「シャーロック」を使用しているかも知れません。僕もその一人です。


プレイステーションの「どこでもいっしょ」というゲームを知っていますか? ポケットステーションというキーホルダーのような小さなゲーム機に猫や犬のキャラクターをダウンロードして持ち歩くゲームです。プレイヤーはボタンを通じてそのキャラクターに言葉を教え、キャラクターはその言葉を使って文章らしいものを組み立て、話しかけてきます。その会話を楽しむゲームというわけです。


このゲームには特別新しい仕組みはなくて、古いもので同じ仕組みの有名なところではマッキントッシュフリーソフト人工無能」なんかがあります。これは「人工知能」のアンチとして作られた「考えてないのに」「考えているように見える」大変軽いプログラムなんです。


例えば「名前を教えて」と人工無能が聞いてきたとします。「ひろゆき」と僕が答えます。「ひろゆきって男?」「そう」「かっこいい?」「それほどでもない」「それほどでもないってどういう意味?」「照れくさいから言わない」「照れくさいから言わないなんて難しいこと言わないで」っていう風にオウム返しを巧みに演出することで、会話らしいものを成立させてるわけ。


どこでもいっしょ」ではこれに価値観のマトリクスのようなものを加えている。例えば「スーパーカー」って言葉を教える。すると猫は「スーパーカーって何?」と聞くので数あるジャンルの中から「有名人」を選ぶ。すると「スーパーカーってどんな人?」と聞いてくるので「アイドル、お笑い、役者、スポーツの人、その他」から「その他」を選ぶ。「スーパーカーって男の人? 女の人?」「その他」「スーパーカーって かっこいい?」「かっこいい」「ひろゆきスーパーカー好き?」「大好き」「なるほどよくわかったにゃあ」ってなる。これで猫にスーパーカーは「なんか有名人でかっこいい人」で僕が「好意を抱いている」こともわかったわけ。だから猫は「昨日街で○○に会ったにゃ、かっこよかったにゃー」って文章にスーパーカーを当てはめれば、僕がうらやましがることが予測できる。つまりこの仕組みを通じて会話が成立するってことですな。


僕はこのシステムを検索エンジンに使用したいのね。例えば「スーパーカー」って僕が言ったらそれはほぼ100%バンドのスーパーカーの話しであって、クルマのスーパーカーじゃないってことぐらい、少なくとも僕のこんぴゅうたあにはわかっていて欲しいの。で、仮にスーパーカーの情報が対して出てこなかったときも「スーパーカーはしばらくライヴの予定はないけど、トライセラは来週チケット発売だよ」って若いバンドつながりで教えて欲しい。間違ってもクルマ好きのヤンキーなサイトなんかには飛ばして欲しくないんです。時にはそういう寄り道もいいけどね。


こういうちょっとしたマトリクスを持った辞書を、検索エンジンではなく、自分の窓や、ハードディスクなんかの記憶媒体にちょっと持っておくって言うのはステキなアイディアだと思うのです。だって「人工無能」も「どこでもいっしょ」のポケットステーションも数メガのプログラムで全部を動かしているわけだから、すごい簡単にできそうな気がしませんか? 例えばそれこそポストペットみたいに小さな窓を常に用意しておいて、コンピューターと接しているときにそのペットが「最近おもしろいことあった?」なんて話しかけてきて、それに答えることで「辞書を更新」していくっていうのもかなりグーなインターフェイスでしょ。そうでもない?


インターネットがこれほど日常的なものになる前は「検索」に関して引っかかるキーワードを、立体的な価値観でマトリクスにフィックス(固定)する、フィキサーって職業が必要になるはずってずーっと思ってましたが、そんなことは全くの無意味で、個々がそう言った気の利いた自分だけの小さな辞書を持ち歩くことで、無数に散らばった情報を効率よく集め、出会うことができる運命を引きつけられるって今日思いました。そんな辞書を「しりとり」っていう素朴なゲームを通じて街ゆく人と交換したりできる「どこでもいっしょ」は未来の種を持ったなかなか新しいツールだと思います。以上。