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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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マリオギャラクシー(1)

スーパーマリオギャラクシー
任天堂 (2007-11-01)
売り上げランキング: 404

Wiiの2回目の起爆剤にならないと困る大定番、マリオの最新ソフト。3Dになってから、お客さんの数が減ってる気がするのは、ゲームの出来云々というより、カメラ操作や補完っていう本来のアクションの気持ちよさとかけ離れたものが入ってきたからだと思う。そこで今回はただ広いフィールドを全方向に自由に行き来っていう作り方をやめて、導線をはっきりさせて、カメラをほぼ平行移動化。これによって、3次元でありながら2次元的な操作感を実現。もうひとつは「重力」という概念を導入。これによって、壁を登ったり、ジャンプした先の惑星の引力に引かれ、天井の位置していた地面に着地できたりする。ただこれによってマリオの落下死という感覚が曖昧になってしまったのも残念な話だ。代わりにブラックホールが用意されているけど、落下してみるまでそれが見えることはないので、落ちる先が安全な場所かブラックホールかはパッと見には分からない。またAボタンによるジャンプよりもリモコンかヌンチャクを振って出すスピンアタックの使用箇所が倍近く多く感じる。マリオ64のパンチよりは違和感がないけど、つたを登るのもスピンって謎(すごくすばやく登る)。ボスたちとのバトルもスピンを使ったものが多い。なぜジャンプじゃないのかと言えば、3D空間でジャンプは「点」の攻撃だけど、スピンだとマリオを中心にした「面」に近い攻撃になるので、タイミングや当たり判定を曖昧にしても違和感が少ないからだと思う。


そういう気になる要素を並べると、ジャンプアクションのど真ん中であるはずのマリオという存在の必然性はだいぶスポイルされているようにも感じる。でも操作感はすばらしく気持ちいいのでどうでもよくなってしまう。例えば、マリオといえばコインを拾うという遊びがある。でもギャラクシーにはコインよりも何倍も多くスターピースという金平糖のようなものが落ちていて、マリオが体で触って拾うだけでなく、右手のリモコンでポイントすると、どんな遠くのスターピースも吸い寄せられて取れてしまう。リモコンはマリオの世界の中でいったいどんな存在なんだ?と疑問にも思うけど、スターピースを見かけたらリモコンで吸い取りたくて仕方なくなってしまう。おかしな話だけど本当。


グラフィックは、ディズニーやピクサーのCG映画を見ているような、彩度が高くくっきりとした色合いと、CGのギラギラ感を程よくマイルドにした質感表現が、誰の目にも分かる「綺麗で楽しそうな絵」を実現している。世界観に虫が多く登場することもあり、「バグズライフ」を思い出させる絵でもあった。色合いや質感もすばらしいけど、ボスたちのモーション(動き)のデフォルメが、CGってことを忘れちゃうぐらいに豊かですごい。


小惑星のようなステージばっかりなのかと序盤こそ心配したものの、マリオ64のようなマップ型のステージやクッパに至るまでのアスレチックステージもちゃんとあるので、むしろバリエーションは増えていて飽きさせない。まだスターを16個集めたところなので、これから現れるであろうステージが楽しみだ。マリオサンシャインは本編をクリアしたところでくたびれちゃったので、コンプリートしたくなるようなドキドキ感がずっと続くといいなと思う。