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映画「嫌われ松子の一生」

DVDで「嫌われ松子の一生」を観ました。「下妻物語」が全然ピンと来ない僕としてはもともと期待もしてなかった。ミュージカルっぽかったり、画面エフェクトがさらに豪華になってたりしてるなー、っていう印象。ものすごくリアルに不幸を積み重ねていき、最後には無残にも殺されてしまう松子の姿は、画面の派手さで笑ってごまかされるようなものではなく、ただただしんどい。「ダンサーインザダーク」が主人公の現実逃避を視覚化した演出だったのに対し、松子の場合は演出の意味はそういう軸にあるわけでもなく、ただ豪華だった。中谷美紀は美人だけど演技がうまいとは思えなかった。でもダメ男に殴られて目の周りに青あざができたり、怒鳴られておどおどする姿はかなり似合う。松子と付き合ういろんなダメ男たちが個性的でどれも良かった。劇団ひとりクドカンもホントにいるよね、ああいう人って思う。松子という存在はベクトルはともかくとにかくひたむきで、そのひたむきさが毎度報われないと言う点で、自分の中には「嫌われている」「裏切られた」という想いだけが積み重なっていく。ダメな女はいつの時代も、ダメな男を支えようとしたり、相手にとって自分だけが真の理解者で必要不可欠な存在なんだと思い込んだりする。そのベクトルや原点がそもそも間違っていることには気づかない。何度も同じ間違いを繰り返す。それを冷笑するのは簡単だけど、大抵の恋人たちにもほとんどすべて当てはまることでもあったりするから、この映画はそういう意味でとっても悲しいのだった。なかなかみんな言わないけど、そういう意味合いさえちゃんと感じさせるタイトルが最高に素晴らしいと思う。65点。