lovefool

たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

【3日目】

takanabe2003-08-31



最終日。昨日と同じ朝ごはんを食べてチェックアウトした。帰りの飛行機は2時15分だ。昼までまだ時間があったので車を走らせた。


校庭に「この樹なんの樹気になる樹」みたいなのが2本も植わっている小学校を見つけた。あの木陰で授業したりするのかな、とか思った。


道路沿いにはなんて名前かわからなかったけど、コピペで作ったみたいな、ドラクエっぽい街路樹がずっと植わっていた。


特に行きたい場所はなかったけど、展望台に着いたので登って海を眺めた。視界の180度以上が水平線だった。こうやって見える曲率は実際の地球の曲率よりかなり丸めに見えてるらしいという誰かの話を思い出す。確かめようのないそれっぽい話ってのは、語り継がれていくなぁと思った。風が気持ちよかった。


ここからポエム↓(飛ばしてかまいません)


この島の人たちは、僕が作ったゲームなんかに触れなくてもずっとフツーに一生幸せだろうな、と思った。僕は自分がどの国に行っても自分ががんばって作ったものを「ぜひ遊んでみてください!」って言えるべきだと思っていたけど、前にも感じたとおり、沖縄は東京ほどテレビゲームを必要としていないだろうなって思った。


うまくいえないけど、日常のルーチンがちゃんと自分が所属する共同体をベターにしていく機能を持っている素朴な生活っていうのは、都市型の高密度消費型の生活と違って、密度や情報量は薄い分、それを選んでいること、それに向かうことに対するエネルギーがシンプルで揺るぎないんだと思う。そこに「暇つぶし的」なものや「サブカル的」なものは入る余地がないという感触がある。


例えば、今のどが渇いていて、東京なら20メートル置きぐらいに自動販売機がある。でも沖縄には販売機もコンビニも全然ない。「飲もう」という気持ちとそれを解決するまでの労力が格段に違う。好きなミュージシャンに会うにも、そのつど飛行機に乗る必要があるだろうし、人気のCDだって「欲しい!」って自分から申告しないと手に入らないだろうし、雑誌だって数日間遅れてないと手に入らない。


そうなると「したい」と思うこと自体が、はっきりと自分の行動力(ポテンシャル)とダブってくる。重ねざるを得なくなる。生半可な気持ちで今日や明日を選べなくなる。たぶん「マトリックス」を見に行くにしたって、往復の時間をはっきり決めてプランニングしないと見れないはず。


そうすると必然的に生活のリズムから無駄(暇つぶしや無駄知識)がなくなっていくと思う。都会と異なるストレスはあると思うけど、日常と非日常の区別がはっきりしている分、そこに向かうエネルギー量がシンプルで強いと思う。そういう明快な生活のリズムの中に「こんな変なゲームがひとつぐらいあってもいいじゃん」とか「発売日が他社の大作と重なっちゃってるからずらそうか」とかいうレベルはもとより、どこにどうテレビゲームというものが生活の中に入って行けるのよ!とまで思えるんだよね。実際ゲームショップ自体がないしさ。興味のない人の目に触れる機会がない。浮動票がない。ここにはライトユーザーなんてものはそもそも存在しない。はっきりしてるんだ。


それを身勝手にも美しく感じたんだよね。そういう細かい戦略とかくだらない画策が通用しない世界を、ちゃんと響かせるクリエイトができることが理想だな、と思った。メディアは何でもいいから、ここにいる人たちをいつか自分の力で喜ばせてみたいなって思った。その笑顔が見たいなって思った。多分スーパーサイヤ人とかにならない限り難しいとは思うけど、目に見える目標が出来てよかったな。


↑ポエム終わり


で、話は唐突に旅行に戻るけど、展望台を過ぎてまだ時間が余ったので、その先の鍾乳洞に行った。入場料を払ってから「異常潮流で歩きづらいとこあるけど、土手を歩いてね」と言われる。言ってみるとフツーに水浸しで、平均台かよ!っていう狭いコンクリの上を10メートルぐらい歩かなくちゃいけなくて、カナがダウン。先には海につながる景色があったようだけど、引き返した。


また激しいスコールが降ってきて昼食でも取ろうと思った。たまたまフランチャイズっぽい和風ファミレスがあり、てんぷらうどんを食べた。


カーナビに登録してあるレンタカー屋のナビに従い車を返した。


飛行場のベンチに座っていたらいろんな人がよぎって行った。
・「北の国から」の純(内田有紀なし)
時任三郎(2メートルぐらいある)
小林薫JTのタバコは欠かさない)
細川たかし(真っ黒で不動産屋みたい)
・鳥越キャスター(やさぐれモード)


一昨日の和泉元彌とママも足すとなんとも言えないあいまいな空気に圧倒される感じ。揃えようと思っても揃わないだろうって面子だ。


那覇空港では乗り継ぎ便まで2時間もの待ち時間があり、会社のみんなにちんすこうの詰め合わせを買った。荷物が重かったので自分達のお土産は買わなかった。日曜日なのにまだファミ通は売ってない。


カフェテリアでカナがアメリカンドッグとコーラをうれしそうに食べていたら、すぐ隣のテーブルで3歳ぐらいの女の子がまったくおんなじメニューをまったくおんなじうれしそうな笑顔で食べていたので爆笑。


帰りの東京行きの飛行機が地獄だった。僕の隣の席に座ったやつが、デブでオタクでしかもものすごくくさかったのだ。座席からはみ出すような図体で、腰に「ミルモでポン!」って書いてあるポシェットをして、汗をかき、りぼんの増刊号を読みながら、やめときゃいいのに「ビール!」とか言うのだ。頼むからそれ以上体温を上げないでくれ。航空券を半額にしてくれるか、いますぐこいつを飛行機から降ろして欲しいって思った。自分の手についたタ
バコの微かなにおいで2時間半を乗り切った。今回のたびで一番つらかったところだ。


やがて羽田に飛行機が着いて旅が終わった。家に帰ったらヤフオクで買ったおもちゃが3つとウィルスメールが280通来ていた。ぬーん。