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映画「ターンエーガンダム II 月光蝶」

ターンAガンダム II 月光蝶 [DVD]

ターンAガンダム II 月光蝶 [DVD]

DVDを買いました。だってパッケージのイラストがすごすぎるんだもん。映画館では前編の「地球光」だけ観て、まるで早口言葉かよっていう駆け足な展開についていけず、後半は観ていませんでした。


そもそも25時間半のテレビ版を5時間に要約すること自体、相当な無理があるわけで、ボリュームとして本当に2部作というつくりが最適だったのかいまだに良くわかんない。ただ詰め込みまくった情報の密度とその品の良い見せ方が、なんか感動的であることは間違いない感じ。


この映画で初めて作品に触れた人には、もう全然わけがわからないってくらい人間関係も複雑だし、始まりがあって終わりがある物語として大きく破綻はしている。じゃあテーマと言うか監督の言いたいことぐらいはシンプルに伝わってくるかと言われても、そこもまた微妙。要約できないテーマをそもそも選んだ豊かなストーリーだと思うんだよね。あのお話は。


だけど、フィルムからバシバシ感じられる作り手の思い入れの深さと、スピーディーすぎる展開が、もう目が離せないっていう緊張感を生んでいます。フラッシュバックというか、誰かの記憶の断片を、脳みそにダイブして見ているような感じ。ものすごいいろんな人の想いが交錯している物語。誰が悪で誰が正義とかじゃなく、もがいてもがいて自分の一生懸命を証明しようとする。


何がすごいって、本当に「説明的なつながり」をばっさり省略しちゃったその手法。前編の終わり(エンドテロップ中)に、旧世界の核弾頭を胸にしまうターンエーガンダムと、離陸する宇宙船ウィルゲムの姿で終わったと思ったら、後編はとっくに宇宙にいて、何の説明もなく月の人たちとの戦いが始まっちゃう。誰が何の理由で誰と戦っているのかさっぱりわからない。いつのまにか戦争。解説によると、前編と後編の間のエピソードはお客さんの頭の中で埋めないといけないらしい。うそ? そんなんあり? エンディングももう3,4回観てるけど、未だに意味がわからない。あれって何かがちゃんと解決してるの? みんな納得できてんの?


悔しいから、前編のほうもちょっとだけ今朝見直した。そしたら意外に具合が良かった。映画って一回でなんか分かった気になりたいメディアだと思うんだけど、DVDのように何度も見直すことを前提とするメディアなら、この詰め込み具合は「後を引く」圧倒具合だと思った。あと3回ぐらい見て、台詞の意味を理解して、隅々まで世界を見渡せるようになったら、ひょっとすると恐ろしいぐらいの完成度に気づかされるのかも知れない。そういう予感を感じさせる、不思議な映画でした。


好みで言うとやっぱ宇宙に出る前までの、おおらかな話がやっぱり好きなんだけどね。ガンダムの胸に牛を入れる話とか、ガンダムで洗濯のシーンとかね。最高。