- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2001/05/25
- メディア: DVD
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DVDでスペースカウボーイを見ました。月に行き損ねた経歴を持つ元宇宙飛行士の4人のじいちゃんがスペースシャトルに乗って通信衛星の不具合を手で直すって話です。宇宙っていうポイント以外地味に思えたので、あんまり期待していなかったせいか、非常に面白かったです。
まずじじいのうち2人がすげえ頑固者。1人がエロじじい。これだけでガンガンお話を引っ張っていってしまう。NASAの訓練にもフツーには着いて行ける訳がなくて、検査を突破するための小細工や、プライドを満たすためだけのつまんない勝負、還暦を過ぎてんのにラヴロマンス、そういうのをふんだんにはさんでいよいよ宇宙へ。そっから先が良かった。衛星を直すだけっていう地味な話ではあるんだけど、衛星の巨大感や、宇宙っぽさにすごい力が入っている。無重力の演出もすごいだろーって感じには見せていなくて、宇宙なんだから無重力は当たり前って感じのところや、真空だから地球や宇宙船がものすごい高解像度で隅々まで見渡せることで、宇宙の広さとか質感とか温度感が伝わってくる。そういうしっかりした背景の中で、これまた妥協のない作りこみの衛星がガンガン変形したり、宇宙船にぶつかってメリメリ壊れたりするシーンはまじで鳥肌が立ちますよ。
ドラマ性という意味では、ものすごいシンプルだし、ご都合主義だし、テレビドラマサイズの内容なのかもしれないけど、それを支える背景の描写に少しも妥協していない感じが、結果的にシンプル=骨太っていう図式を強く打ち出していて、エンドテロップに「製作・監督クリントイーストウッド」って出てきたときに、この映画を見た時間の中で一番の「やられた!」って感じのうめき声が出ました。あと一番最後のカットは反則すぎ! これは自分の目で確かめてください。宇宙にちょっと行きたくなるような映画でした。一番の謎はなんで「老人と宇宙」って組み合わせで映画を作ろうと思ったかってことです。とにかくオススメ。