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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

まだイケル


大阪からパティが遊びに来て、帰ってゆきました。大阪バナナブッセをおみやげに持ってきた。なんだかすばらしい秋晴れで、駅から望む大学のイチョウがむちゃくちゃ綺麗に色づいていた。家についてさっそくゲーム三昧。もちろんパティはコントローラ持参です。「スーパーモンキーボール」「スマッシュブラザーズDX」「Rez」「パラッパラッパー2」「タイムクライシス2」をどどどーっとやった。途中からけいちが来て、約束のマイコントローラを買ってこなかったので「4人対戦できないじゃん!」と僕が怒って、風邪を引いてのどが痛いのに全力疾走で自転車を漕いでコントローラを買いに行ってしまった。なのに世間はスマブラプチブームで軒並みコントローラが売り切れ。3軒回って何とか手に入れたものの、帰ってきたらもうみんなゲームには疲れてしまっていて、すんげえどうでもいいテレビ番組を映しながらでれーっとしている最中だった。ぜぇぜぇ息切らしてる俺は何なんだ。


話しは前の日に戻って、木曜日。僕が予約に間に合わなくてどうしても欲しかったTSUTAYA限定500セットの「Rez完全陶酔セット」が、発売日の今日、渋谷TSUTAYAにわずかに売りに出ている情報をキャッチ、気が利くカナ様のおかげで、感動の「Rez」を手に入れることができたのでした。「ちょっと早いけど誕生日プレゼントね」。うわーい! Tシャツも振動ヘッドフォンも最高だよう! さっそく電気を暗くして陶酔した僕だったよ。


Rez」はシューティングゲームインターフェイスを利用した楽器なんだろうなと思っていたら、驚くほどちゃんとシューティングゲームだった。BPM110〜120ぐらいのリズムの中で、飛んでくる敵(ウィルス)をロックオンして破壊する。そうするとそのビートの上にちょっとした音が乗る。一つずつ破壊するのと、いくつかまとめて捕捉してから破壊するのとでは、流れる音が違う。「テクニクティクス」というリズムアクションゲームの「予約」というアクション感覚にちょっとだけ似ている。それだけのことでなんとなくテクノっぽい音楽の演奏に参加してくる気になれるんだけど、撃ち込むリズムはタイミングとは関係がなく、フツーにシューティングゲームとして撃ち込んでいるだけでも自動的にどんどん音楽がかっこよくなってくる。そしてとにかく映像。ワイヤーフレームや生ポリゴンのような一見前世紀的な未来観をベースにしながら、そのワイヤーが虹色にきらめいていたり、ビートに合わせて拍動していたり、たくさんのレイヤー越しに情報の網をかいくぐったり、倒した敵は空間に溶けていくように空中でにじんで消えてしまったりしてすごい高度な技術力とセンスの上に成り立っているのが分かる。その破壊した敵が消えて行く姿が重なれば重なるほど、暗闇に近かった空間が鮮やかに色づき、自分が潜入した世界に、自分が存在することで明らかな影響を与えていることを知る。ワープを繰り返して、より深い階層に潜っていく。どんどんBPMが上がってきて、ビートが心拍数を追い抜くようになるとのどの奥がカラカラになってくる。背景も複雑に重なり合い、どこかの文明の建物に似ているものが見えたりする。敵を破壊したときに生まれる音も派手になっていく。手に負えない数の敵に囲まれる。すべてが切羽詰まってくる中で見たこともない形のボスの動きに頭が真っ白になる。シューティングゲームのボスにしては多分通常の3倍固いんじゃないかと思うぐらいたくさん撃ち込むことが必要なボスを瀕死の思いで倒すと光に包まれて、侵入したコンピューターの世界から脱出する。苦しいところから解放されたはずなのに、なんだかもの悲しい。あぁもったいない、もっともっと「そこ」にいたいって気持ちがわき上がってくる。あっという間に4つのステージすべてをクリアしてしまった。同梱されていたトランスバイブレーターは、コントローラの振動とは別の種類の振動を制御していて、例えば尻の下に敷いたりするだけでも、音で言うところのステレオ効果のようなものが得られる。触るまではくだらないものを付けるもんだなぁと思ってたけど、遊んでみたら間違いなく「必須」っていうアイテムだった。テクノ風な世界観や音楽という好き嫌いがありそうな切り口でありながら、明らかにゲームでしか味わえない新しい肌感覚を呼び覚ましてくれるという意味で「Rez」は今年最高の作品かもしんないと思ったよ。ゲームはまだイケル。そう思った。


で、話しは戻ってパティとけいちと鍋をした。やっぱ冬は鍋だねー。鶏肉団子とか残った汁で雑炊とか食べて、いい汗をかいたら、アイスクリーム。そんでまたゲーム。「スーパーモンキーボール」と「スマッシュブラザーズDX」を初めて4人対戦したよ。ゲラゲラ笑い合った。スマッシュブラザーズで一番強いのがカナっていうのがショックだった。カナの選ぶピーチ姫はフィールドからブン投げてもふわふわ傘を差して舞い戻ってきたり、ヤンキーのねーちゃんみたいな地味で陰険なキックをしたり、召使いのキノピオを盾にして自分は涼しい顔をするひどいキャラクターだ。たった2日間で、ピーチ姫という長年さらわれるたびに助けに行ってやったあの顔が、すんごく嫌みなものに見えてきてしまった。マリオは身分の違いも気づかずにあの性悪女にクッパとグルで遊ばれてるだけなんだと思うんだけどどうか。保険金でも掛けられてなければいいけどな。


土曜日も朝起きたら天気が良くて、さすがにこの天気の良さを一日ゲームでつぶすのは惜しい気がしたので、有楽町に出かけてみた。カナが「やっぱり通勤用の音楽が聴けるものが欲しい」と言ったのですかさずiPodを薦めたら、2件目のソフマップでなんとホントに買ってしまった! うぉーまじかよー。無印良品で飯を食って、パティはもののけ姫の3枚組DVDを買った。僕も何か欲しくて、1000円のワゴンセールDVDとか、安売りのゲームソフトコーナーでたくさんの品々を両手に抱えたものの、お金なんか全然ないし「どうしても欲しいものなんか一つもないのになんとなくお得感で買っちゃうのもどうか?」ってオトナの僕が耳元でささやいたので、少しも唇をとがらせたりすることなく、何度も後ろを振り向いたりせず、物欲しそうに同じ売り場を往復することなく、家に帰ることにしたよ。家に帰って、もののけ姫の絵コンテDVDを見て、あまりの完成度にぐーぐー寝てしまう。iPodは僕が育てたiTunesのライブラリ1.2ギガ分をさっそく同期させたけど、5分もかからずに300曲以上を転送し終わってしまった。やべー! 俺も欲しいよー! 週に6日でいいから貸してくれよ! そのあとみんなでカレーを食べた。あんまりおいしくできなかったけどパティはお代わりしてくれた。夜にバイバイして、散らかったままの部屋で、カナと「友達が帰っちゃったあとは寂しいね」という話をした。壁に二人で寄っかかって片耳ずつのヘッドフォンでiPodの曲を聴いた。