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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

続ムキュウ


ムキュウが来てから4日が経ちました。いや、一番遊んでいるのが「スーパーモンキーボール」だなんて、みんなには内緒ダヨ! しかも本編はストレスが溜まるからってパーティーゲームのレースばっかり遊んでんの。


ルイージマンション」は、ゲーム機のコントローラというものが映像に触るための翻訳機なんだなぁってことを分からせてくれる。お化け屋敷の中を掃除機と懐中電灯片手に歩くんだわね。視点は固定で2次元ライクな移動操作のまま、感触の部分で複雑な操作のもどかしさを楽しむような作りになっています。暗い部屋の中に突然現れるお化け達。淡く光って透き通って、まるでディズニーアニメやゴーストバスターズそのもののよう。彼らに懐中電灯の明りを浴びせると「カチン!」と音を立てて固まります。その一瞬の隙を突いて(1秒に満たない)、Rボタンで掃除機の電源を入れながら、Cボタンスティック(右手用の黄色いスティック)でお化けの方へ掃除機を向ける。その時のスティックの方向が特徴的で、お化けと向かい合ったらお化けのいる方ではなくいない方へ「引っ張る」ようにスティックを引く。そうして初めてお化けを掃除機で吸い込むことが出来るんです。お化けは吸い込まれてはたまらないと、華奢なルイージを引きずるようにして暴れます。その間中ずっとスティックでお化けを引き続ける。まるでカジキマグロでも釣るみたいに。そうしてやっとの思いで吸い込んだ時には思わず「ふぅ、やれやれ」とお化け退治したルイージの気持ちになる。吸い込んでその部屋のお化けを全部やっつけたり、部屋に込められた謎を解いていくと、次の部屋の鍵がもらえると言う仕組み。音楽がまた秀逸だ。お化け屋敷をとぼとぼ歩く怖さ、寂しさを強調するように、メロディにはルイージの鼻歌や口笛が被ってくる。そして絶え間なく続く様々なノイズやラップ音が、次に待ち構えるお化け達を想像させて、コントローラにじんわりと汗がにじむ。掃除機はお化けだけじゃなく散らばったコインや御札やろうそくの炎やボール、テーブルクロスやカーテンのような布まで吸い込むことができる。それぞれに感触が違う。埃が舞ったり、炎で伸びた自分の長い影が揺れたり、窓の外に雷が落ちたり、割れた窓ガラスから吹き込む風がカーテンをバタバタと揺らしたり。ファニーな絵柄ながら、バイオハザードにも迫る緊張感と恐怖。血や残酷さを登場させずに、デフォルメされた世界の中でこれだけの情感を醸し出すのは本当にすごいなと思います。クリアまでに数時間しか掛からないとの話しもあり、マリオやゼルダに比べて明らかなボリューム不足では?との見方もあるようだけれども、6800円で出来る体験の種類としては、僕はアリだと思うのね。本体と合わせて3万2000円以上の責任を取れるかと言ったら、ロクヨンとマリオの時ほどじゃないけど、あぁ、こんな物が家のテレビで楽しめちゃうっていうすごい未来に僕らは今いるんだなってことぐらいははっきり分かる体験になると思います。こんなのが最初のゲーム体験になる子供達の将来がちょっと楽しみだったりもするのだった。


ウェーブレース」は、ロクヨンでのあの操作感をそのままに、水の表現がより細かく美しくなった。しぶきが上がれば、カメラのレンズに水滴が付くし、様々なものが水面に映り込んでは揺れているし、一緒に走るライバルも8人まで増えたし、コントローラがあれば4人対戦も出来るようになった。システムはロクヨン版で完成しちゃっているので、今回のは全部新コースとは言え、完全版と言った印象だ。まだ1時間ぐらいしか遊んでいないけど、優秀な成績でクリアすると次のステージの天気が悪天候になったりして(波が高くなったり、雨が吹き付けたり)、毎回違った印象でレースに臨むことが出来る。コース上の障害物もぶつかると破壊できるものが多かったりして、操作の難しさ以外の点でレースを遮るストレスを可能な限り減らそうと言う工夫が感じられる。ただキャラクターの個性や、表示系、フォントなどのデザインが、海外で製作した割には前作同様、味気のない無個性な仕上がりになっていて、それが僕にとっては大きなマイナス点に感じられた。破綻がない優秀なゲーム性だけに、演出部分こそ凝って欲しかったというのが本音のところ。


スーパーモンキーボール」は不思議なソフトだ。大体なんで猿とボールとバナナの組み合わせなのか全然わかんない。そして、あまりにいろんなゲームが入ってる。本編は「コロコロカービィ」みたいだし、おまけのモンキーレースは「F-ZERO X」の疾走感と「マリオカート」のアイテムを混ぜたみたいだし、グラウンドから相手を落としたら勝ちっていう「モンキーファイト」というミニゲームは「マリオパーティ」の何かに似てるし、その上まだ遊べてないけど「ビリヤード」「ゴルフ」「ボウリング」まで入ってるんだって。どれも薄味で、レバーだけか、Aボタンを加えるぐらいで遊べる軽い作りだ。こんなゲーム家でひとりで遊ぶにはあまりに悲しい感じ。特別ゲームキューブの性能や特性を活かしたって気もしないしね。でも逆に言うと、その軽さがみんなでわいわい遊ぶ時には「場所」として広く開放されている気がする。特に「モンキーレース」が気持ちいい。「マリオカート64」も「F-ZERO X」もどちらもすばらしい出来の傑作ゲームだと思っているけど、今日初めてそのソフトに触れる人とはなかなか楽しく盛り上がれないじゃないですか。だけど、モンキーレースなら、レバーを倒すだけで「F-ZERO X」の疾走感と「マリオカート」のアイテム効果に近いものをお手軽に体験できちゃう。操作に迷うストレスがないことがいかに重要な要素であるかが、体感としてはっきりと実感できる。ゲーム性うんぬんではなく、となりで笑い合うパートナーや自分の笑顔に素直に反映される。これってすごいことだと思いませんか? 少なくとも僕には「必要な」ゲームです。疾走してはコースアウトしてゲラゲラ笑い、誰かの投げたアイテムに子供のように大騒ぎ。ついにはゲームに興味のない彼女の方から「もう一回!」とリクエストが出たほどでしたよ。僕はゲームというメディアをコミュニケーションを助けるツールの一つとして受け止めたいので、今回の「スーパーモンキーボール」にもらった笑顔は大変貴重なものになりました。