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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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ぱっと手を離す


ミルク色の深い霧の立ちこめる湖で木のボートを漕いだ。先っちょを少し赤らめた蓮の花がぽっかりと浮かんでいて、僕はその前でボートを停め、ホルンを鳴らした。懐かしいようなメロディ。その響きが森に吸い込まれた時、霧が晴れ、青い水面に揺れるその姿に顔を上げると、空を覆うかように大きな白い城がそびえ立っていた。


先週から僕んちで一番動いてるゲーム機! それはスーパーファミコン。何が好きって「ドラクエ5」、これ最高。もう三回目ぐらいのプレイなんだけど、長えーのに、今の話しの少し先が常に気になる!ってのの繰り返し。だいたい主人公は勇者じゃない(直接世界を救う人を操作していない)ってとこでものすごいと思うし、途中何年も奴隷になったり、石像になってひとんちの庭でボーゼンと過ごしたり、魔法のじゅうたんに乗ってびゅんびゅん空を飛んだり、いつ話しが収束するのか全く見えない、でも次々に楽しい。次が見たくてたまらんストーリーってのはこういうんだよな、と何年ぶりかに思った次第です。


会社のような自分の力だけではどうにもならない場所で、モノを作っていると何度も「説明」→「判断」の場面に遭遇します。たいていの場合、場の回数を重ねるたびに「つまりそれって言ってしまうとアレのことなんですよ」っていう、簡潔な例え、つまり収束方面に行きがち。あるいは映画なんかを観て、釈然としなかった場合も「要するに何が言いたかったんだよ!」なんて一言で要約したがったりします。でもそれってドキドキが持続できないから、無駄部分(と感じた部分)をテーマに沿って要約したいと感じるんだよね。話しは飛躍しますが、恋愛に置き換えるとどうなんだろう。ここがテーマに沿ってない、とか、要するに○○ってことでしょ? なんてまとめ方向には話しがいかない。多分瞬間瞬間が精一杯だからだと思う。俯瞰しているより渦中にいる方が、体感の度合いが違うんだよなぁ。ま、確実に振り回されますが。僕は恋の渦の中で自分を支える何かからぱっと手を離すような瞬間が好きです。やや三次元ぶっていた立ち位置が急に二次元になるって言うか、今見えてるモノの向こう側に何が続くかなんて一切わかりませんって感じの方が、圧倒的に楽しい。「今」と全身で向かい合っていると無駄に振り返ったり、反省したり、溜め息を付く時間も減るような気がします。



○○君の家に置いてみました、というツレプテクーのCMは、びっくりしたり喜んだりしている子供が最後ぐうぐう寝ちゃってるんですけど、やっぱツレプテクーのゲームは退屈ですって意味だと判断させていただいてよろしいのでしょうか。