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「セシルのブルース」小島麻由美

セシルのブルース

セシルのブルース

3rdアルバムの「さよならセシル」がヒット中の小島麻由美のデビュー作。ジャケットを見てもわかるように、元気な少女が駆け回っているような若さと勢いにみなぎるすばらしい出来。ホントに新人だったの? 僕は3rdより好きかも。これをオンタイムで聴かなかった当時の自分の感覚の鈍さがちょっと悔しいぐらいの感じです。


スキャットやムード歌謡やジャズなんかのある一定の世界の色で塗られている彼女の音楽性は、もちろん単純な好みの上でそうまとめられているのかも知れないけど、そこに溢れる無限とも言える広がりはけして閉じられたマニアだけにしか届かない耽美的なものではない。そこにあるのは愛すべき自分の才能とはまったく別の冷やかなプロデューサーとしての彼女の視点だ。とても普段聴く音楽はほとんど自分の作品だけって感じの人とは思えない。まぁある意味、度をすぎた完璧主義者なのかも知れないけど。


「恋の極楽特急」とか「結婚相談所」とか「皆殺しのブルース」とか、タイトルに溢れるぶうこっぷり(注・僕の理想の女の子像、一般的な時流とはちょっとズレた感じの才能が溢れる天然ボケと言った感じ?)も当時からフル回転で、彼女の口からこぼれる単語の響きひとつひとつににやにやしてしまいます。小島麻由美を中心に置いたいろんな風景が頭の中にめまぐるしく繰り広げられてその楽しいこと楽しいこと。


最近小器用で見栄えばかりいいランチに飽きて、がつんと来る音楽的焼きおにぎりが足りない君には是非!な一枚になると思います。