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本「ノストラダムスの大予言 最終回答編」五島勉


1973年の暮れなんだって、初刊が出たのは。センセーショナルだった。世界が終わるなんて信じられなかったし、信じられないからこそ知りたいと思ったよね。僕が読み始めたのは小学2年生の頃で、そこに描かれる地獄絵図になんかとりとめもないリアリティを感じていたんだ。他の人が描いた解説本も読んだけど、なかでも五島勉の書いたものは読み解き方に無理が少なくて説得力があった。


この本はその10巻目に当たる最新作で、なおかつ完結編らしい。だって予言に記される年号が西暦ならあと1年切っているわけですよ。予言っつーか、もう現在じゃん。すごいな。そんな日がホントにやってくるなんて夢にも思わなかった。


にやにやしながら「ちゃんと当たるかね、予言」と言うようなスタンスでいる人ほどこの本を読んで欲しいと思うのですが、この最終巻に描かれていることは実はたったひとつ「25年前に私が読み解いた未来をみんなは妄想だと笑ったけど、自然環境を中心とした現在の異常は私の警告に限りなく近づいているじゃないか」ということなんです。


1999年の7の月に空から降って来るであろう「恐怖の大王」には73年当時、核戦争説が一番有力だったはずなのに、五島勉だけが複合汚染や強力紫外線説を唱えていたんだよね。インドあたりの核実験とか、ダイオキシン環境ホルモン、オゾンホールを見てもそのどれにも当てはまる気がするけど、やっぱりすごいのは高度経済成長のさなかに「公害でやばくなるって!」と言い切っていた五島勉の先見の明だよ。これだけはホント否定できない。それは何百回も版を重ねた初刊をぜひみんなに読み直して欲しいくらい。


これってつまり「ノストラダムス」は触媒でしかなくて、むしろ五島勉の予言書だったって方が正しい。解釈が無限であるとされる四行詩から、これだけ的確な未来予測をしたんだもん。なんでもっと評価されないんだろう。不思議でしょうがないよ。


誰が何を信じるかって言うのはこの際問題じゃないよね。宗教も関係ないし、予言が当たるかどうかにも僕はほとんど興味がない。そしてわりとふつうに2000年もやってくるだろうことも個人的に信じてる。でも「予言」とかいうキーワードだけに反応して、ほとんどの人が未来を真剣に考える人のメッセージが25年経っても受け入れられなかったっていうのはなかなか悲しいことだと思うよ。


誰が何を信じ、何を触媒にしようとも、そこからちゃんと前向きなメッセージや建設的な発想が生まれるなら、ハルマゲドンだってそう捨てたもんじゃないよなと思うのです。