lovefool

たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

映画「ディープインパクト」

ディープ・インパクト [DVD]

ディープ・インパクト [DVD]

20世紀も終わり間近で、世紀末以外の何者でもない今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしですか。表現の分野ではここぞとばかりに終末感溢れる物語が大流行りです。「タイタニック」や「エヴァンゲリオン」はもちろん「アルマゲンドン」てな映画もあるそうですね。その中でも一番ストレートに地球の危機をテーマにした映画がこれ「ディープインパクト」ですよ。


後から別に述べるノストラダムスの関連があるかどうかはわかりませんが、これはある日空から巨大隕石が落ちて来るって話です。で、どうしよっかっていうのがこのお話の軸になるんだけど、核爆弾を積んだ宇宙船でその隕石を壊しに行くんだ。でも失敗するの。で、もう手がないよ、どうしようって世界中のみんなが動揺するんだけど、僕が感動したのは滅亡のシーンとかそういうことより、こっから先の登場人物の気の持ち方だよね。


もうあと10日ぐらいで隕石がぶつかって、どう避難しても2年間は地表に住めなさそうな感じってわかった人たちは、今まで自分たちを覆っていた個人レベルのいざこざをすべて許したり、自分を支えてきてくれたものや人に感謝したり、ほんとに愛している人に愛してるって全身全霊を掛けて言うし、自分が選んできた様々な人生上の選択を肯定するわけ。で、それは物語の悲劇さと相まってものすごく涙を誘うんだけど(つーか、僕も泣いたけど)大事なのはここで感動してただ泣くことじゃないんだ。


ここで語られる3つの気持ち「サンキュー」「アイラヴユー」そして「プライド」は、例え明日世界が終わらなくたって一番大事な気持ちに決まっているわけさ。映画を見てわんわん泣いて、よかったねで終わるべきじゃなくて、自分の日常に毎日に還元しなくちゃいけない大原則なんだ。これは明日がもうやってこないからみんなにやさしくなるんじゃなくて、今ここにある今日をやさしく生きれば、明日がいつなくなろうともきっと悔いなくだいじょぶじゃん、という論法です。


そこを軸にして映画を見るとものすごい完成されたものになっている。もう隕石がぶつかろうとぶつかるまいとホント全然関係ないわけ。津波を前にお父さんと娘が抱き合うだけで充分なわけ。未来のある赤ん坊を抱いて逃げるので充分なわけ。


だから、この物語が多少ご都合主義風に終わることに文句を言わずにいられないお客さん達はわかってないなぁと思った。そういう人はバンジージャンプでもスラム街の怖いとこ巡りでもなんでもしてくればいいのに。


僕はこの映画を見て、今日を生きる大事さを再確認したし、たくさんうれしかったよ。退屈だったのか、隣でいびきを掻いて熟睡してたどこかのコギャルが妙に象徴的だったけどね。