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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

浜松

takanabe2003-06-16



マッキとミノ(http://www.sutacora.com/)の新居に御呼ばれしてきた。新婚さんである。水色のペンキが塗られた小ギレイなアパートに、二人は住んでいた。僕らが2年前そうであったように、余計なものが何にもない清潔な家だった。慎ましやかな感じがよかった。マッキが高校生のころ、大当たりした馬券で買ったというスゲーでかいテレビと、新品の食器洗い機が目立っていた。南側に出窓があり日当たりも風通しもよくて、気持ちがよかった。いっしょに饅頭を食べたり、二人が飼い始めたオカメインコの子供、その名も「浜松」と遊んだり、パネルでポンをしたり、近所は下町っぽい古い借家が多くて、その細い道で子供達がきゃあきゃあ遊んでいた。浜松は朝にマッキがあげたえさの水分が少なめだったらしくて、喉を詰まらせているのか、あんまり鳥らしく鳴かないで途中まで元気がなかった。でも僕やカナが好き勝手に構っているうちにズボンにフンをしたらすっきりしたらしく、すぐにピーチクパーチク元気になった。写真は僕の首の後ろで遊んでいる浜松です。あっという間に時間が過ぎてしまい、みんなでもんじゃ焼きを食べに行った。湿度が高くて、もんじゃとかビールとかがすごく似合う夜だった。嫌がらせでジョジョの単行本を第2部が終わるところまでどっさり置いてきた。

映画「海がきこえる」

海がきこえる
海がきこえる
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ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント (2003-08-08)
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アニメ「海がきこえる」を見た。小説をアニメ化したものらしい。原作は未読。


僕は他の人と物語に求めているものがあんまり一致しないことが多くて、僕が好きなものにはあまり一般性がないんだな、と思う。


そんな中で、分かってきたのは、アニメにはドキュメンタリーのような種類のリアルさを求め、実写には現実と非現実感との徹底したなじませ方を求めているなということ。うーん、根本的に表現手段と表現に対して間口が狭すぎる気がする。


作品の話に戻りますが、この映画はその狭い隙間をちゃんと突破してきた。いわゆる十代の胸キュン映画だろ?っていう僕の勝手な思い込みをちゃんと飛び越えてきて、主人公の男の子に感情移入させてくれた。ヒロインの女の子もアニメの世界独特の「妄想の中の不思議ちゃん(=都合のいい女)」って感じじゃなくて、あー、クラスに一人はいるねー、こういう人って思った。実在感があった。


短く言うとこのお話は、都会から来た性格のきつい女の子に振り回される田舎育ちの男の子の話だ。


セリフも説明的過ぎないで、なまりは心地よいリズムを刻んでいる。つまらないプライドに振り回される少女や、それを許せないはずなのにどうしても目が離せない男の子。そのココロの動きが丁寧につづられる。


90分という短さもいいと思う。だらけそうになるシーンもほどよくペースアップされている気がして、飽きる暇がない。


ディスコミュニケーションの話としては、最後に二人が歩み寄れるきっかけとして「単なる時間の経過」=「思い出として美化」っていう図式が物語的にちょっと弱い気もしたけど、大げさにならない自然な演出で「現実もそんなような風にできてるし、誰しもそんな思いを一つや二つ抱えて生きてるもんだろう」っていう納得に変っていく。それが見終わった後に広がる感触として心地よい。


何年かしたらもう一回見たいな、と思った。