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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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映画「ヒーローショー」

井筒監督の映画を見たのはこれが初めて。かなりの衝撃を受けました。


タイトルが優しい感じだったり主演がジャルジャルだったりパッケージがテキトーだったりで、青春モラトリアムもの?みたいなミスリードがあって、でも実際は、暴力に報復を重ね合う負の連鎖を描いた映画だった。


よかった点はいっぱいある。出てくる登場人物全員に一定の奥行きがあること。物語の突端になっている仲間の女を寝取った事実とは本来関係の無い二人が主演であること。ダメな人たちが様々な情の上でもがいてより負の方向へと転がり落ちていくこと。


人生訓みたいなものを学ぶ形にはなっていないんだけど「暴力の報復が生む負の連鎖」に引きずり込まれる人たちはかなり人間臭くて魅力的だった。それなりの理由付けで同情させようという演出がされてるけど、「いやいやいやいや、だからって許されることじゃないし!」って思って見てるとちゃんと報復される。その繰り返し。


負の連鎖が嫌でそこから這い上がろうとしても、一度暴力で参加してしまった事実からは永遠に逃れられないのかなという無情感が、リアルに感じられた。


そうした中で、恐らく主人公である芸人志望のダメ青年はよくも悪くも「何もしてない」「できてない」点において、人生の未来にまだ「余白」があることを示唆しているラストがよかった。「可能性」とも「希望」とも言えない、あくまで「余白」程度の未来だし、連鎖から断ち切られているわけでもないんだけど。


あとバツイチ子持ちの未亡人役の「ちすん」がエロかわいかったです。