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 映画「かいじゅうたちのいるところ」

かいじゅうたちのいるところ [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-11-03)
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絵本の世界的超有名作を、スパイク・ジョーンズがまさかの実写映画化!ってことで説明はもう十分。原作本は世界で2000万部。アリスに続いて、サブカル的な監督に任せるこういうのが流行りなんでしょうか? いや、流行りと言うより僕世代のサブカル好きが世の中を動かしている時代になっただけのような気がします。


ポスターの感じや色合いはすばらしくお洒落で、あの絵本のよさを引き出しています。ところが映画そのものはあんまり面白いものではなかったです。


10歳頃の物心ついた男の子が、妄想の世界に逃げ込んで、成長して帰ってくる話


と、本来1行にまとめられるベタないい話のはずなのに、かいじゅうの世界にはかいじゅうの世界なりに、現実世界と変わらない面倒くさい付き合いやローカルルールがあるんだよ。ってところを変に膨らましてしまったせいで、子供はおろか大人にも退屈な話になってしまいました。家庭での男の子の微妙な立ち居地を丁寧に描いているからこそ、かいじゅうの島にはポップなワンダーランド感が突き抜けて欲しかったところです。大人も行ってみたくなる遊園地感と言うかね。そしたらきっとピクサーに迫るような家族ぐるみの売り上げを期待できたと思うんだよね。


とは言え、あのでかい顔のかいじゅうたちが、無駄にすばやくプロレス並みのアクションをこなすのはばかばかしくてよかった。言ってみれば予告編だけで十分だった気もします。


あと吹き替え版を、加藤清史郎と高橋克実が声を当てているんですが、子供店長にレッドカーペットのハゲのおっさんがぐだぐだ絡んでいるようにしか聞こえないのも、もんのすごいマイナスだったと思います。


「有名作×趣味の世界」ってのは企画としては通しやすくても、実際のハードルはめっちゃ高くて、最終的にお客を納得させるのは至難の業だし、諸刃の剣だなと自戒を込めて終えたい作品でした。