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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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維持と変化

takanabe2010-03-02



不安が多い時代なので、生活の向上より安定を求める人が増えた。我慢している時間が長くて疲れとストレスが溜まってきたのと、そのまま進む先が全然明るく見えないせいと両方だと思う。


でも静かな生活や安定を求める人ほどうまく行ってない気がしてきた。というのも「維持」っていうのは「変化」より圧倒的にコストが掛かることに気づいていないんだと思う。同じクオリティのものを手に入れるのに昨日より明日の方が絶対に安い。同じ期間、予算であれば、クオリティは昨日より明日の方が必ず上がる。その中で、同じ仕事(ギャラ)を昨日と同じテンポとクオリティで保とうとしても、必ず右肩下がりになる。現状維持だと思っていても、実質的には自分で自分の価値を下げているのと変わらない。自分は変わりたくないけど、相手には譲って欲しいと言ってるのと一緒。


そうすると選択肢は2つしかなくて、1つは自分のスピードかクオリティを市場が求める高さで上げ続けること(職人を目指す)。2つは競争相手が少ない市場に自ら踏み出して、そこに種を植えて、咲いた花を誰よりも早く摘むこと(開拓者を目指す)。そして選んじゃいけない3つめは、昨日の半分の額で同じ仕事を請けること。でも現実的には3番を選ばざるを得ない人と、わかってなくて3番を選んでしまっている人がほとんどのような気がしてる。で3番'(ダッシュ)の、仕事は2倍に増えたけど、処理能力は2倍になっていないので、忙しさ倍増の年収3割減、みたいな感じがホントサイテー。涙さえ枯れてくる。


そう思うのは、それって絶対仕事に限ったことじゃないからだ。「既得権」って思ってるもの。例えば技術や知的財産や健康や人間関係などのことだけども。そういうものの維持って、基本、右肩上がりを続けられて初めて水平ぐらいの実績だと思うからなんだよね。あらゆるものを少しずつ失い続ける毎日の中で、どれだけのリソースを何に集中させて割いていくか。割けないものに対して、どうやってきちんとお別れを言っていくか。生きていく上での悩みってそこに集約される気がしている。