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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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スローゲーム・スローエンターテインメント

takanabe2010-01-22



日常生活については、ひとつひとつをちゃんと吟味したいっていうのが昨日の話し。なんか自然派志向のダメなOLみたいなこと言ってるけど。


でも仕事であるエンターテインメントには、まだ迷いがある。生活必需品でないものってのは「手軽さ」に流れやすい。htmlでホームページを作ってサーバーにアップするのはかったるくて、ブログサービスになっていろんなPCや携帯からも更新できるようになって、それも面倒になってmixitwitterなどの、コミュニケーションと渾然一体になった仕組みの中に組み込まれていったり。レコード屋に赴いて買った音源を家具調ステレオのまえで正座して聴いていた音楽が、ウォークマンで外に出て、CD、MDというコンパクトな物体を経て、今や電話回線で好きな音楽を探して落としたり、数千曲のライブラリをかさばらずに持ち歩ける時代になってる。利便性が最優先。情報の流れにロスが減った分、同じ時間で処理しないといけない情報量が増えた。そのためにいろんなものの上辺しかなぞれなくなっている弊害もある。コンビニでは、商品の魅力を感じ取るまで4秒以内だと聞いたことがあるけど、そういうことなんだろう。速く安く簡単に消費されるための形をどんどん磨いている感覚。


ゲームボーイから続くDSやPSPなどの携帯ゲーム機市場が、音楽で言うウォークマンぐらいの過程だとして、専用ゲーム機じゃない携帯電話やPCで基本プレイ無料のゲーム的なものが溢れている。これがiTunes Store+iPhone(iPod)みたいな次のスタンダードなのかと言うと僕の中ではうまくイメージが重ならないんだけども、お金の流れとしては今ゲーム専用機よりもかなりこっちに流れている。で、実際プレイしてみると、生活のちょっとした隙間をそれらが埋め尽くしてしまうのが分かる。面白いかどうかで言うとゲーム専用機で遊ぶゲームとは見た目以外の点で全然違っていて、駆け引き感や知恵のようなものは感じない。そういう意味では面白くない。でも1時間に1回タバコを吸うような感じで、特に得るものがなくても、手に届く距離にそれがあるってことでなんとなく手を伸ばしてしまう。そのこと自体はいいんだ。ゲーム的なものに触れる機会や選択肢が増えたと思えばいいって思ってた。でも実際には1分とかの単位で暇時間を埋められると、据え置き機どころかDSやPSPの起動さえ面倒になっている自分に気づく。選択肢は増えてなくて、飲み込まれちゃってる。しかもゲームショップに買いに行く必要もなければ、売り切れることもないし、プレイ開始にまとまったお金も要らない。携帯電話世代の人たちにとって、ケータイゲームは、ゲームそのものを楽しむものじゃなくて、送ったメールに返信されるまでの時間をつぶすためのものだって聞いたことがある。その感覚からすると、ゲーム専用機はかなりやぼったい。


スローフードという言葉がある。それはファーストフードに対するアンチテーゼとして掲げられた概念だ。今ゲームはどんどんファーストフードに侵食されている。そういう流れに対していずれまた反動は来るだろうって信じてはいるんだけど、その時スローゲームとかスローエンターテインメントって言葉が現れたりするのかな。ちゃんと味わおうぜ、みんな!みたいな。でもそれって作り手や、懐古趣味プレイヤーのエゴのようにも思える。


そうは言いながらも映画館で、電車を乗り継いで、開始時間を待って、高いポップコーンやジュースを買って、狭苦しい椅子の中でDVDよりも高い代金で見るべき映画がそんなにはないように、ゲームも同じような道を歩むんだろうな。「アバター」ぐらいがんばらないと(がんばっても)YouTubeに勝てないやみたいな感じ。それでみんなが「当然だ」「幸せだ」って思えるならいいけど、まだ今のゲームでも、暇つぶしアイテムでもない、新しい何かを生む努力をもっとすべきなんだろうな。