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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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10年ぶりのターンエー

MG 1/100 WD-M01 ターンエーガンダム (∀ガンダム)

MG 1/100 WD-M01 ターンエーガンダム (∀ガンダム)

土日の夜を半分ずつ使ってプラモデルのターンエーガンダムを作った。プラモデルを作ったのは10年ぶり以上で、前に作ったのもターンエーガンダムか同じシリーズのスモーというロボットだった気がする。10年の技術の進歩は恐ろしいもので、ディテールのシャープさとか精度にいちいちうならされた。ターンエーガンダムはいろんな種類の立体物を持っていて、同じスケールの半超合金みたいなのもかなり気にいってる(というか今も机の上に飾り中だけど)。この半超合金は、超合金のずっしり感とプラモデルの精巧さを併せ持ったはずのモデルなんだけど、肩の装甲の強度に難があって、買って箱から取り出すだけで壊れるという異常設計。しかも3台買って3台とも同じところが壊れるんだから、個体差じゃないよなぁ。仕方ないから自分でちょっと細工して接着した。それが悔しくて仕方ない。で、今回同じスケールの新しいプラモデルを作ったんだけども、マスターグレードって言うの? これすごい。プラモデルって目に見える外形があって、ある程度動けば文句ないじゃん。でも違うの。なんかロボット工場で組み立ててるみたいに、骨があって、肉があって、そんで最後の最後に外装があるの。めちゃくちゃめんどい。でも「今ロボットを組み立ててる!」っていう使命感みたいなのが出てきてちょっと燃える。設定画なんかないはずの中身のメカ、しかも外装をかぶせたらまったく見えないところまで、なんか誰かがちゃんとデザインをした形跡がある。しかもギミック込みで。関節なんか、ひざもひじも2重関節で、どんなラジオ体操も出来るし、足に至っては、胡坐も正座も可能。す、すごくね? 外形のプロポーションはシドミードの原画をカトキハジメがリファインしたようで、細かい処理のうまさにうならされるけど、でも大枠ではちょっとスマートすぎるところがある。二の腕の細さ、太ももの長さ、腰の高さ、ちんこの小ささが、なんか華奢な印象を与えてるかも。そういう意味ではディテールは甘いけど、半超合金の方が僕のイメージのターンエーの量感に近いかも。しかし同じ原画を見ながら、細かい部分の解釈がモデルによってぜんぜん違うのが面白い。今回のプラモデルは面のつながりをすごい意識してる。だから線が整理されて上品だ。シドミードが描いたターンエーの横向きに歩き出す瞬間の超かっこいいスケッチがあるんだけど、そのポーズをそのまんま真似できるのもこのキットの特徴だ。


ところで初代ガンダムって、日本の武者の兜や甲冑のイメージから始まってると思うんだけど、それをシドミード的に再解釈したのがターンエーのひげっていう着地点だとたぶん捉えられてると思うのね。でも、スケッチを眺めていると、僕には青年マルスとかの石膏像というか、ギリシャ・ローマ的なヒーロー像の甲冑のイメージがすごいする。やかんの取っ手のようなトサカも、ギリシャ風なヘルメットに見える。すんごいラウンドした盾もギリシャ・ローマ的。マルスって確か軍神のことだし、♂のマークの大元で男根を意味してるから、ターンエーのコクピットがすんごいちんこなのも変に納得がいったりして。そう考えたときに、ガンダムのデザインの変遷が、日本的なものをベースにメカ的なもの、兵器的なもの、未来的なもののディテールを足したり引いたりしたところで続いたんだとしたら、ターンエーがその流れにいい意味ではまらないのは、根っこにあるデザインがアジア的なものをヨーロッパ的に解釈して置き換えてるからなんじゃないかって思ったんだよね。そう思うとガンダムハンマーが初代よりしっくりくる感じもちょっとわかる気がするって言うかね。そんなことをもやもや思いました。