カナ様が楽しみにしていた「テトリスDS」の発売日だった。雨だったせいか僕の眠りは深くて、乳をあげてるカナ様の「あ、ゴミの収集車来ちゃった！」の声で飛び起きて、ゴミ袋を抱えて走って行った。なんとか間に合って、ゆっくり二度寝したいところだったけど、もう息が切れてるのでそんな気になれなくて、ボーっとした頭でメールチェックなどしながら朝のコーヒーを飲んだ。時計が１０時に近づくとカナ様がそわそわしだして、僕は朝の風呂よりもまず、予約票を握り締めてファミコン屋に行かなければならなかった。行きがてら、向こうから３０代男性がファミコン屋の黄色いビニール袋を手に、駅とは反対の方向に向かっていく姿を見た。無職なんだろうか、と余計な考えがよぎりながら、お店の人には僕もそう映るのだろうな、と思った。ひげもそってないしさ。ほどなくして２本のテトリスをゲット。予約したので特別価格だったのがちょっとうれしい。家に帰りカナ様に無事上納して、最初のプレイが終わるまでしばらく後ろで子供の面倒を見ていた。カナ様はゲームボーイのテトリスのコアユーザーでカンストしてたらしい。さっそくwi-fiで世界対戦をやってみてもらった。４戦やって１勝しか出来なかった。カナ様は自分の腕前よりもまず「操作が硬い（やりづらい）」と不満を言ったので、DS Liteを貸してあげたら「これの方が柔らかい（やりやすい）」と、画面の明るさ抜きで喜んでおられた。「よろしければ今日はそのDS Liteをお貸ししますよ」、と言うと「でもフレンドコードが変わるなら別にいらない」となかなかのコアっぷりを発揮しておられました。つづく。
