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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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失うこと

takanabe2006-04-05



寝てる間のことは覚えてないんだけども、今朝カナ様に「昨日泣いてたよ」と言われた。言われて思い当たるようなことはないので、別に悲しくもなんともない。寝てる間って言うのは脳みそがデフラグを行っていて、その副作用で夢を見たりするらしいので、ちょうど整理したほうがいい僕のメモリーに涙を誘うようなことがあったんだろう。


モラトリアムの頃は失うことがものすごく怖かった。答えは頭で分かっていて、とっくにどうしようもないことでももがいて泣き叫んでいた。手にした全部とこれから出会う全部を抱えたまま、死ぬまで歩いていけると本気で思っていたからだ。


でも当たり前だけど、両手がいっぱいになったら、それ以上に新しいものを持つことはできないし、零れ落ちたものを拾うためには、最低でも一回片手を空けないといけない。そんな人生の取捨選択も何度も繰り返すたびに割と上手になったりして。


時々は失ったものを思い出すときもある。あの時、雑で誤った選択を今またやり直したいとは思わないけど、今なら確実にもっとちゃんと大事にできると思うことはある。


そう思うと失うというのは、それ自体に価値はないにせよ、成長を促すヒントにはなる。しかも最近まで間違えていたのは、拾って抱えたものや、それによってうまく行ったことがその人となりとして積み重なるんじゃなくて、実際には大事に捨てたものたちが積み重なってその人を形作るってことだ。失敗は成功の素って言うけどきっとそういうことだ。正しく前に進むためには、正しく失敗したり正しく失ってないといけないんだ。


いつか自分が下手くそで傷つけてしまった何かに報いるために、似たような難しい選択は手を変え品を変え何度でも目の前にやってくる。同じようにすべてを拾って抱えあげることはできないけど、同じ下手くそな失い方だけはしないように、人(僕)は日々成長していくのかもしんないね。