今年は去年発売されたニンテンドーDSとPSPにソフトが出揃ってきたり、ゲームボーイミクロやXbox360が発売されたりと、ナムコとバンダイが合併したりとにぎやかな年だったね。中でもニンテンドーDSの大躍進振りは想像をはるかに上回り、ゲームの面白さがキレイな映像を再生することだけではないことを(当たり前)、はっきりと体感できたはず。ゲームからしばらく離れたいた人もこれを機にまた手にとってくれた人が増えたことが、業界人のひとりとしてうれしかったなぁ。
僕自身は遊ぶソフトの数が年々減ってるけど、個々の満足度はむしろ上がってきてて、ソフトの水準がかなり上がってきているのを感じます。PS初期の頃のゲームとか、今遊ぶとかなりの確率で不親切だったり、いいかげんすぎてがっかりするもんね。
価格に対するサービス度という意味で、ボリューム以外の点で質が上がってきたんじゃないかな。中でも携帯機が充実してきたのは、ゲームの未来を考えるとまっとうな進化だと思います。テレビや音楽が家庭のリビングから各自の部屋、そして携帯できるものへと変化を遂げたように、ゲームもおそらくパーソナルなディスプレイを持ったものに向かっていくのは、順当だよね。
来年にはPS3、レボリューションの発売が控えており、いろんなベクトルを持ったハードがどのように活躍し、どんなプレイヤーに受け入れられていくのか非常に楽しみ。
それでは2005年に僕がプレイした一部のゲームのランキングを発表します。
●大賞
DS「脳を鍛える大人のDSトレーニング」☆
東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニングposted with amazlet at 09.12.11
ゲームの概念を変えたとかいろいろ言われているけど、そうじゃなくて、むしろこれがゲームの基本だよね。インターフェイスとリアクションが気持ちよくつながっていて、失敗や成功に納得がいって、学習すると結果が徐々に好転すること。そんなゲームに必要な基本的なことに立ち返っただけなのに、これだけ気持ちよくてうれしい感触に仕上げられたのは、任天堂が培った長年のノウハウのすげーとこかな。ペンで書いてるときに、紙を鉛筆が「サラサラ」ってこすっている音がするのが一番好きなところ。教授のカレンダーや時計がらみの小ネタとかもちゃんとうれしい。色の名前を言い間違えた時の赤面とか他のゲームにはない感覚。2800円っていう低価格も時代の空気と言うより、本来ゲームがそうあって欲しいストライクゾーンの価格帯なんだと思う。
●優秀賞
「巨人と一騎打ちするのは絶対楽しいはず!」っていうコンセプトだけを本当に貫いた、その潔さが作り手としてもプレイヤーとしてもすばらしい。ボスごとに違うカメラ設計とか、ボス以外のザコ敵がいないとか、コンセプトに対してどう注力するかっていう、モノヅクリのプライオリティが誰の目にもはっきりしている点が最高にオトナだ。こんだけすばらしいものが出来るんだから、唐突でばらばらすぎるムービーパートをもうちょい何とかして欲しかったかも。ゲーム部分がすばらしいだけにそこが残念。
DS「仮面幻影殺人事件」☆
探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件posted with amazlet at 09.12.11元気 (2005-03-24)
売り上げランキング: 7700
昔ながらの総当り型アドベンチャーゲームなんだけど、シナリオの濃さでぐんぐん引っ張られた。タッチパネルはともかく、二画面を納得が行く感じに使っていてよかった。一見しょぼいグラフィックものめりこむと良く見えてくるから不思議。DSの「逆転裁判」が新作じゃなかった分、リリースにすごい価値があったと思う。「触れる推理小説」って言うコピーは「アナザーコード」よりもこっちによく似合う。
DS「マリオカートDS」○
人気の「マリオカート」をオンラインにしましたっていうだけなのに、特に競争好きでもない僕が、ものすごく面白く感じるのはなんなんだろう? AIと違って、その人の思念みたいなものが走りから伝わってくるからかもしれない。新アイテムの「ゲッソー(の墨)」や「キラー(大砲の弾)」も後から追加されたって言うより、もともと必要だったようなその納まり方に感動。アイテムで順位を引っ掻き回しつつも、実力がちゃんと最後まで影響するバランスも完璧すぎると思う。僕が学生だったら、猿のように一日中プレイすると思う。チャットなどのコミュニケーション手段がないところも、潔くていい。
●特別賞
DS「メテオス」◎
企画(アイディア)もいいんだろうけど、プレイヤーのいろんな欲求に同時に応えようとしているプログラムがえらいなーと感じた。パズルゲームの見た目だけど、内容的にはアクションゲームの文法に近いかも。うまくなったからプレイ時間が延びるっていうパズルゲームの成長セオリーをぶっこわしてる、3分間のプレイの濃さを競うゲームだと理解している。桜井作品の中で僕がゆいいつおもしろさ、新しさが分かった気がした作品。
DS「nintendogs」◎
nintendogs ダックス&フレンズposted with amazlet at 09.12.11
犬を飼うんだけど育成ゲームじゃない。まずそこがすごい。プレイを引き止めるために「死」を脅迫材料として使わないとか、「愛玩」にフォーカスしてゲーム的なエンディング(目的地)がないとか、むちゃくちゃいろんな意味で画期的なんだけど、なぜか後を引く感じがなかった。自分の犬にしか出来ない芸とか覚えさせたかったかも。「すれ違い通信」がネーミングを含めて最高だった。
飽きが来ていたシリーズに、システムを一新してちゃんと成功させたすばらしい例だと思う。序盤のリアルな質感や色使い、ゾンビじゃなくて人を撃ち殺すという恐怖に慣れる前に、どんどんバカゲー的なサービスが増えてきて、毒が回るかのように、ゲームのテンポ感を上げて行く。1.5人称視点のシステムもすばらしいけど、てんこ盛りになったいろんなアイディアがちゃんと一本につながってるのがすげーなーと思った。クリア後のおまけも豪華だけど、お腹いっぱい過ぎ!
●がっかり賞
GC「スターフォックスアサルト」×
グラフィックは綺麗ですばらしいのに、なんかどうしようもない感じのストーリーと、半分以上が白兵戦だったことにがっかり。スターフォックスであることを差し引いても面白いゲームになってると思えなかった。でも案外小学生の男の子とかにはちょうどいいのかも。僕はフツーのフォックスがやりたい。64版最高。
●かなりおもしろかった
GC「Killer 7」☆
Killer7【CEROレーティング「Z」】posted with amazlet at 09.12.11
シナリオ的には相当ぐだぐだなんだけど、個性的という枠組みを超えてるデザインとか、割り切ったシステムがよかった。各キャラクターが敵を倒すたびに言う汚い言葉遣い(Son of a bitch!とか)を口真似するのがしばらくブームだった。2,3年後にまたプレイしたくなる感じ。
いろいろ不作なゲームキューブで、純粋なオリジナルタイトルを作り続けられる製作会社スキップに価値があると思う。音楽とSEがすばらしすぎ。サントラはiPodに入れてよく聴く。
DS「超執刀カドゥケウス」△
手術ゲームってちまちましそうなんだけど、かなりハードなアクションゲームに仕上がってて、命を懸けた繊細な作業のドキドキ感が体感できた。そして物覚えの悪い自分にがっかりもした。医者にならなくてよかったと思う。
何度プレイしても物語としてこのドラクエが一番好きだー!! 死ぬまでにまだ何度か遊ぶと思う。PS2版もやりかけたんだけど途中で止まってる。カメラを回転させるのが面倒くさいから。
SIMPLE2000シリーズ Vol.81 THE 地球防衛軍2posted with amazlet at 09.12.11
ゲーム的には前作で完成してるんだけど、そのアンコールというか、純粋続編として、1をもっと遊びたい!!って気持ちに存分に応えてると思う。70面を越えるステージや、まったく性質が違う新しいプレイヤーキャラで2倍どころか4倍ぐらい遊べちゃうサービス精神に脱帽。2000円の価値を変えすぎてしまったので、次作に苦労しそう‥。
1もおもしろかったけど、2もいいね。敵が出してくる特殊ルールで、デッキをちまちまと組みなおすのがカードっぽくて面白い。敵が自爆して勝手に負けることが多すぎるのがちょっともったいない。
DS「おいでよ どうぶつの森」○
4作目にしてやっと元通りのオンラインゲームになったという、不思議なコミュニケーションゲーム。性別を隔てないゲーム性が最高。でもwi-fiはみんなが言うほどのびっくり感はなくて(たぶんパソコンが日常的になりすぎたせいだと思う)、チャットとかじゃなく、もうちょっとコミュニケーション系のモーションとかサインが欲しかった気がする。表情とか、手をつなぐとかさ、キスする振りとかさ。ドラムロール型になったマップとか、アクセサリーをつけられるとか、村人の自分語りとか、細かいバージョンアップがいちいちうれしい。解像度のせいで、デザインした服のドットがつぶれたり、虫が発見しづらいのはもったいない。
●面白かった
PSP「サルゲッチュ!P」○
ただのファンなのでかなりの時間楽しんだ。ゲーム的にはスティックが2本ない時点で別ゲームになっちゃってるので、イマイチかなー。背景にめり込みまくりのカメラとかやばいね。
PSP「みんなのGOLF」○
すごいそつなくまとまってる。ライバルに負けた時、経験値がたまらないのがつらかったな。パットがマリオゴルフに比べてむずかしすぎるかなー。
GC「ドンキーコングジャングルビート」☆
アクションゲームとしてもちゃんと面白いけど、クリアした時、息を切らしている自分がもう面白い。一回クリアしちゃうともういっかって思えちゃうのがもったいない。
DS「キャッチ!タッチ!ヨッシー!」△
ぜんぜんやってないけど、曲が泣きメロですんごいよかった。とりあえず加藤ローサが草原で寝転がってやるような甘いゲームじゃない。2面しかないステージ構成は挑戦的だけど、その分値段も下げて欲しかったかな。
DS「アナザーコード」☆
かなり面白かったんだけど、全体の時間のボリュームがと言うより、詰め込まれたアイディアのボリュームが少なすぎてそこがイマイチ。キャラクターデザインに透明感があってすげーツボだった。
DS「パックピクス」○
自分が描いたものが、その瞬間に意味を持ってゲームの中で動き出す衝撃! でもそのワンアイディアに納まらず、かなりかっちりデベロップメントを考えて作ってある感じのアクションゲーム。だから手ごたえもある。いい意味で昔っぽい。
GBA「トルネコの大冒険3」○
いろいろバランスが悪いところもあるけど、携帯機との相性はいいね。2と違って、マップがレイヤー表示されるのがよかった。PS2版も持ってるのに買っちゃった。でも不思議のダンジョンシリーズは出しすぎだと思う。1年半に1本ぐらいでいいや。
PSP「WIPEOUT PURE」△
どこが悪いって言うんじゃないんだけど、なんかはまらなかったなぁ。でもPSPというハードデザインにすごいしっくり来てる画面や音楽だったことは間違いない。イベントのダウンロードでコースが増えるのはうれしかった。
GC「バイオハザード0」△ 2時間ぐらい遊んだけど、いつものパターンなのでもういっかって思った。出来が悪いわけじゃなく、システムの問題かも。4と同じシステムならまたやってみたいかな。
DS「押忍! 闘え! 応援団」△
もう時代遅れ気味のリズムアクションゲームに、インターフェイスの違いと、濃い演出で、違う手触りにちゃんと仕上がっていたのがえらい。携帯機なのにボーカルがちゃんと入ってるのとかそういう細かい積み重ねがうれしかった。リズム感ないのでクリアできてないけどね。
PS2「戦国BASARA」△
真三国無双の亜流のひとつではあるけど、各キャラクターの個性が際立っていて、すごくちゃんと自分のものにしているというか、真似が真似に終わらない感じがよかった。元気があるボイスを聴くだけでも気分が高揚するというか。
PS2「サルゲッチュ3」△
定価で買ったのに、史上最速のベスト入りをして、完璧にやる気が失せた。ゲーム内容は2で完成してるので、3は蛇足気味なサービスが豪華でいいなーと思えるときもあるし、やっぱ蛇足かもとも思うし、むずかしいところ。子供は喜ぶかもな。
GBA「Dr.Mario & パネルでポン」△
パネポンの変な女の子がいなくなって、意外にショックな自分に気付く。Dr.Marioの面白さは今でもわかりません。パネポンはカナ様がカンストしてた。
SFC「アルカノイド」△
音楽がないのがいい。いろんなアイテムに「やったぜ!」って思ったり、翻弄されたりしながら、あっという間に時間が経つ。こういう頭が空っぽになるゲームがもっと欲しい。さすがに21世紀の今では、背景がダサすぎるので、ルミネスみたいな感じにリニューアルして、音もリッチにするとまたヒットするかも。
DS「サバイバルキッズ〜ロスト イン ブルー〜」△
同じようなゲーム企画を考えていたら、とっくに商品化されていて、ちゃんと面白かったりするのでうれしい。LRボタンで火をおこして、マイクに息を吹きかけてその火種を大きくするとか、地味にうれしい。でも言うほどプレイしてないので来年また。
SFC「ピクロスvol.1」☆
豆を食べてるみたいに、食べ始めると終わらなくなる。音楽は消してやったほうが集中する。
SFC「ピクロスvol.2」△
問題数が増えていてうれしいはずが、途中で集中力が切れた。やっぱ適量ってあるね。
●フツー
PSP「ころん」○
特殊攻撃のバランス調整がなんか理不尽。調整しだいですごく面白くなりそうなのにもったいない。PSPに向いてない縦のゲームってのもちょっとなぁ。
DS「ザ・アーブス・シムズ・インザ・シティ」△
つくりは荒いんだけど、できることが無駄に多くて、なんか新鮮だったかも。
GBA「プレイやん」○
名前はふざけてるんだけど、意外と内容は手堅くて、もっとふざけてほしかった。ポケットカメラぐらいに。
DS「エレクトロプランクトン」☆
ひととおり遊んで30分で「で?」ってなる。チープなヘッドフォンがいらない。キャラクターデザインはかわいいと思う。オーディエンスモードが入ってるのはよかった。
GC「ペーパーマリオRPG」△
すごい丁寧に作ってるけど、なんかたるいのと、途中で進めなくなったのでリタイア。紙飛行機になるのは、すごいいいアイディアだと思う。
GC「ホームランド」○
オフラインをクリアしてみて、そこから始められるオンラインを結局やりませんでした。淡々としすぎ? キャラクターデザインが個性的なのと、コマンドのシステムはよかったなぁ。
SFC「弟切草」◎
他の真似タイトルと一線を画しているかというと、そうでもなかった。
SFC「夜光虫」◎
文章の運びが自然でよかった。でも地味かなー。
SFC「ざくろの味」◎
序盤は勢いがあったけど、まとめ方が乱暴かな。
GBA「スクリューブレイカー轟震どりるれろ」△
みんなが言うほど面白く思えなかった。遊び方が一本道に固定されてるからかな。
SFC「46億年物語」△
とにかくザコを食いまくって、パーツをレベルアップして、ボスをやっつけてっていうのを繰り返すだけのアクションRPG。面白くもなんともないんだけど、単純作業過ぎて逆にはまってしまうのであった。
●つまらなかった
DS「ぷよぷよフィーバー」×
ぷよぷよじゃなくてもいいような気がした。
DS「役満DS」×
作り賭けみたいなグラフィックと牌の小ささがどうにも。
PSP「真・三国無双」△
狭い場所で短いミッションを繰り返しても全然爽快感がない。
SFC「ドラゴンクエスト6」○
脈絡のないお使いの繰り返しでしんどかった。
DS「ポケモントローゼ」×
初プレイで1時間以上終わらないってバランスおかしいよ、やっぱ。
☆完全クリア
◎クリア
○ほぼクリア
△内容は把握してる
×売った
2004年度
http://d.hatena.ne.jp/takanabe/20050101
2003年度
http://d.hatena.ne.jp/takanabe/20031228