映画「ミリオンズ」

ミリオンズ スペシャル・エディション [DVD]

「トレンスポッティング」で有名なダニーボイル最新作。小学生の二人の男兄弟が、ある日銀行強盗が落とした大金を手に入れるお話。偶然大金を手に入れるという話はデビュー作の「シャロウグレイブ」（大好き！）でも、アパートをシェアする3人に、麻薬がらみの大金が転がり込むというスタイルでやっており、そういう意味で、シャロウグレイブを子供向けに（家族で見れるように）アレンジしなおした話なのかなと期待した。実際、大金を前に、兄弟の兄貴の方は、すごい世俗的な使い方をする。まず大金を手にしたことを親に隠し、学校ではお金を使って権力を手に入れ、欲しいおもちゃを片っ端からネット通販で買いまくる。一方弟は痛いくらいのイノセンスっぷりを発揮して、聖人に傾倒し、聖人の幻覚を見て、貧しい人にはとにかくお金を分けなきゃって思ってる。その二人が対照的と言えば対照的なんだけど、結局何にも解決しないし、なんだかわかんない取ってつけたようなラストとか、ダニーボイル本当に大丈夫だろうか？？と不安になってしまいました。世界中から酷評を受けた「ザ・ビーチ」もそうだったけど、なんか未開の地に対して逃避したいダメ現代社会人ムードみたいのがどうも共感できない。チャリティーや宗教団体を小馬鹿にするような描写が繰り返し出てくるけど、それを馬鹿にして、じゃあ何が正義になるのかって言う監督の考えも見えてこない。銀行強盗が追っかけてくるけど、サスペンスとしての緊張感も全然ないし。世俗的なお兄ちゃんと、電波な弟が、突然手に入ったお金をちゃんと有効に使い切れなかった話？とか思ってしまうぐらい釈然としなかったのでありました。CGの合成もひどいのでもうちょっと何とかして欲しい。40点。