画家フェルメールの名作「真珠の耳飾りの少女」の成り立ちを、モデルになった家政婦の少女の視点で描く。主演が「ロストイントランスレーション」のスカーレットヨハンソン。その寡黙な演技力と美しさだけで息を呑むんだけども、いかんせんシナリオが昼メロかというくらいの陳腐な出来なのでものすげーがっかり。もうセリフとか読まずに、動く絵画のようなその美しい画面に没入するのが正しい見方かと。なんでこれだけすばらしい画作りが出来てるのにつまんなくしちゃうのかなー。カナ様いわく「エロの種類が貧相」。うむ、まったく同感。芸術は別に高尚なものだと思わないし、エロが交じり合ってこそなんか奇跡の高みに登るきっかけになるとは思うんだけど、ここで描かれているフェルメールは眉間にしわを寄せたただのエロいおっさんでしかなくて、芸術家と家政婦の禁断の愛って感じでもなければ、それを嫉妬する奥さんも、どっちかというと一番まともな登場人物にしかなってなくて、シンプルな三角関係がちゃんと描けてない。家政婦に心を寄せる肉屋の青年も、なんかただ家政婦がやらせて終わるだけのわけわかんない存在にしかなっていないし、ものすごい不満が残る作品でした。残念すぎ。40点。
