DVD「ラストサムライ」を観た。ひと言でいうと「トムのウルルン日本滞在記」って感じだった。あの時代に鉄砲文化がないってどうよとか、明らかに日本じゃない植物ばっかりすぎとか、て、天皇‥！とか 細かい時代考証をつついても仕方がない映画だと思うけど、アメリカ人なりに武士道って言う「神秘の力」にまじめに取り組んで、アメリカ人なりに理解できた部分だけをエンターテイメントに落とし込んだ痕跡は十分に感じたかな。だからチャンバラ映画じゃなくてアクション映画に仕上がっていたと思う。そこがいいところもであり悪いところでもあるよね。間口が広い分、ただかっこいいだけかよ、みたいな。アクション映画って気持ちを追いかける作りになりづらいのでトムがどうして侍になって戦おうと思えたのか、イマイチわからないと言うか、感化されすぎな外人にしか見えないのだった。少し上手に気持ちを追って欲しいと思ったけど、いろいろ歯がゆい表現になっていても、こうやって異文化に関心を持って、少しずつでも分かろうって気持ちは尊いのかなと、思った。少なくとも「ベストキッド」とかより日本っぽく見えたし、日本人をちゃんとした日本語がしゃべれる役者に当てて、それがエンドロールでトムクルーズより前に名前が出てくるという事実はちょっと感動ものだった。72点。
