lovefool

たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

磨き方、龍馬

takanabe2004-04-28



台風みたいな強風の中、すごいやる気で会社に行ったのに、なんか訳の分からんことで怒られまくりで、胃が痛くなるほどぐったり。争うよりは前に進めたい僕なので、決められることだけ確認を取ったけど、こういう時間の使い方は本当に嫌だと思った。


アクション性のあるRPGの作り方磨き方と、物語性のあるアクションゲームの作り方磨き方は、似ているようで全く別のノウハウなのかも知れない。少なくとも技術スタッフの成り立ちの上では大きな差だ。僕の仕事は、理想を見据えつつも、今のスタッフが持つ技術で実現できる方法やアイディア自身の磨き方を見つけることなのかもしんない。がんばろ。




前の会社にいたプログラマーにちょっと変わった人がいて、「龍馬」って刺繍で書かれた黒い野球帽を毎日被ってくる。少なくとも僕がいた2年間丸まる被っていたから、坂本龍馬のことをすごくリスペクトしているんだろうなと思っていた。机にはバイト君2号がプレゼントした坂本龍馬のポスターが貼ってあり、僕に何かを尋ねに来るときは、なぜか初期のリボルバーのモデルガンを指先でくるくる回しながらやってきた。バイト君1号は言う。
「あの銃は坂本龍馬が懐に入れてた銃ですよ。プログラマーさんは、常に時代の一歩先を行ってた龍馬を尊敬しているんです。自分も同じように人より進んだプログラマーでいられるようにあの銃を持っているんです。まだ刀を持っていた時代にすでに銃を持っていた龍馬は、プログラマーさんの生きる鑑(かがみ)なんですよ」。
熱っぽくそれを聞かされた僕は「なるほどな」と素直に納得していた。


そしたらそうじゃなかった。なんとプログラマーは龍馬のことなんか全然好きじゃなかったのである。
「好きでも嫌いでもないですよ」
あっけらかんとプログラマーは言った。みんな愕然。
「え? ポスターまで貼ってあったじゃん」
「あぁ、あれはバイト君2号がお土産に買ってきてくれただけで、僕が欲しくて買ったわけじゃないんですよ。どっちかというと置き場所に困ってちょっと迷惑な感じ」
「迷惑なら、なんで帽子を?」
「前にかぶっていた帽子がぼろくなったので、実家のそばのお土産屋で買っただけです」
「じゃあ龍馬じゃなくてもいい? タモリとか陽水でも?」
「別にいいですよ」
「でもさ、銃持ってたじゃない? あれって龍馬の銃だったんじゃじゃないの?」
「違いますよ」
「は?」
「西部劇に出てきた銃です。かっこいいから持ってるだけ」
「龍馬は関係ない?」
「ないです」
僕はバイト君1号をにらみつけた。バイト君1号は言う。
「僕もびっくりだったんですよ。というか会社中がびっくりです」
確かにそうなんだけど、勝手に伝説化してるのはお前じゃん、と思った。


うわさは信じやすい嘘から広まる、という話。