夏の終わりに咲いた小さな花火は、ほろ苦いような、それでいて甘いような、野花の強さと可憐さを、一瞬の光の向こうに感じさせた。
去年と同じ場所で、去年より増えたけど減ったメンバーもいて、来年、再来年、僕とキミたちはそれぞれどんな地平に立っているんだろうって思ったよ。
少し遠くなりかけた火星と家に帰って、形にならない想いとか、伝わらない気持ちっていうのは、経験をつめば、多少なりとも伝達精度が上がっていくものなんだろうかと語り合った。
目が覚めたら火星はいなくて、消し忘れたエアコンの寒さでちょっと凍えた。