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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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GBA「メトロイドフュージョン」


GBAメトロイドフュージョン」をクリアした。実は初めてクリアしたメトロイドだったりして。ディスクシステム版もゲームボーイ版もスーパーファミコン版も全部遊んで面白いと思ってたけど、中盤でどうしても行き詰まってひとつもクリアしたことがなかったのだった。だからフュージョンをクリアできたのは本当にうれしかった。


クリアできた理由として大きいのは、あの硬派なゲームの代表みたいな「メトロイド」というタイトルが、ちゃんとライトユーザーの気持ちにまで手を差し伸べるようにアクションのそれぞれにかなりのサポートを入れてくれたこと。それは本当にリニューアルってぐらいのサポートだ。


例えば今までは武器の切り替えをセレクトボタンとかでやらせていたのを、今回はパワーアップした武器を手に入れたら、前の武器の機能を包括して切り替えなしって感じで迷わせない、とか。今までは壁ジャンプでシビアに行かせていた高いところにはしごがついていたり、後半でもヨーヨーみたいな動きで空間をジャンプしつづけられるアクションに変更されていたり、ギリギリの高さまで飛べれば勝手に縁にぶら下がって落ちないし、そのまま「上」を押すだけで壁を登りきることができるとか。ミサイルはRボタン押しながらのショットで打てるので、指を離せばいつでも通常のショットに戻れるとか。


広大すぎてわけがわからなくなりがちだったマップも、小さなエリアごとに分れるようになって、決まった入り口をエレベーターでお互いを行き来するので余計な混乱がない。しかも各入り口には次に行うべきミッションと目的地をナビゲートするシステムや、消耗品補充装置、セーブシステムの部屋が必ず並んでいる。セーブポイントの数もひとつのエリアに3つずつぐらいあるので、死んでしまっても1時間前からやり直しなんてことはなくなった。


ここまで親切すぎると逆にメトロイドの硬派な面白さがスポイルされてしまうんじゃないかって心配しちゃう人がいるのも無理はない。特に広大なマップにほっぽり出されてどうしていいか分からないところにマゾイスティックな快感を感じていた人にはちょっと残念かもね。でも僕は何度もそれにくじけた派だったので、ダンジョンを1本道化して、行き止まりの部屋の中にあるどこかに隠された抜け道を探している時の探偵気分ぐらいがちょうどいい。


アクションもちょうどいい難しさ。僕はハードなアクションがとても苦手なので、ノーマルモードでやったボスでは、それぞれ5回以上ずつ死にました。でも10回は死なないでクリアできた。そのくらいのさじ加減が絶妙! ハードな戦いの中で成長していく自分のテクニックを感じられる充実感? それって神がかり的なバランスチューニングがされているゲームでしか味わえない恍惚なんだって思うよ。こういう恍惚は任天堂の歴代名作タイトルで感じたそれといっしょで、僕はゲームキューブのタイトルにはいまだに感じられない恍惚感をこのゲームボーイアドバンスメトロイドフュージョンで久々に実感することができた。これがゲームのおもしろさだよな!って。


実際ボリュームで言えば他のメトロイドより短めだと思う。僕は8時間ぐらいだったかな。でも僕はこれをメトロイドとして初めてクリアしたことでメトロイドのひとつの世界を自分の中に取り込めた。結果、魅力を強く感じて今までクリアできなかった歴代メトロイドに再チャレンジしたくなったんだから、このソフトの存在の大きさは計り知れないと思うんだ。


色味を抑えながらカラフルに感じるドット絵も秀逸、音楽やSEもツボがわかってるって感じのハートに響く音色。なんだか古き良きゲームの魅力が2003年のテクノロジーとやさしさで詰め込まれてる。あたたかいのだ。


ハードなマニアには今作のやさしさは不満かもしれないけど、新しい世代にむけたメトロイドチュートリアル、あるいはキュレーションソフトとして強く受け入れたいな。ここを入り口にして欲しいって感じ。だから旧来のファンより、むしろ平成生まれのゲーム好きに感想を聞きたい。そしてできたら分かり合いたいね。「ゲームの面白さってつまりこれだよね!」って。そんな世代間の橋渡しができそうな気さえする、感動的なチューニング&リニューアルのソフトです。大満足!