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映画「リメンバーミー」

リメンバー・ミー【字幕版】 [VHS]

リメンバー・ミー【字幕版】 [VHS]

DVDでリメンバーミー(http://www.tv-tokyo.co.jp/telecine/cinema/remember/index.html)を観ました。爽やかな話だった。韓国の映画のようで、日本でも吹石一恵主演で同じ内容の映画を同時期に作っていたようだ。恋愛観をベースに敷いたシンプルな不思議体験ものという感じ。


1979年の大学生の女の子が2000年の同じ大学に通う男の子とある日、無線機で通じ合ってしまう、という話。


韓国の倫理観、恋愛観と、日本の僕の倫理観、恋愛感のずれもあって、前半はなんだかのんびりした(やや退屈な)映画だなぁと言った印象だったけど、後半、このストーリーが飛び越えられない時間の壁をはさんだ報われない恋愛の話じゃないことが分かると、ぐっと面白くなってきた。最後二人がすれ違うところとか、ちょっと涙目だったもん。


主人公の女の子は、顔は安めぐみに似てるけど、たぶん日本だったら松たか子っぽい役どころだろう。やぼったいけど綺麗な人っていう役だ。男の子はよく分からない。僕の感覚だと美形ではないし、なんかボーっとしてるけど、韓国だとジャニーズ並みの人気俳優なのかな。その辺の温度感が観ていてちょっとわかんなかった。


男の子に付きまとう女の子扱いされない女の子が、僕のツボだった。「バタアシ金魚」のプーみたいな。でも主人公の成長には欠かせない重要な役回りだったりすんのね。ガンダムのフラウボゥにも近いかも。


あと女の子が恋する先輩のベターっとした前髪と青いひげそり後が気持ち悪かった。石田純一のやな感じを濃くしたみたいな。こんなのに惚れようがないだろ!って画面に向かってつっこんでばっかりいた。


やたらクレーンを使うカメラワークや、クラシック音楽の使い方も含めて、岩井俊二の「ラヴレター」や「四月物語」の影響を感じた。悪く言うと表現が時々作品に馴染んでない感じがあった。


些細な奇跡が取り返しのつかない事態を呼んだり、それを引きずって、親友を失ったり、一生を棒に振ったりする。でも積み重ねた時間は2度と巻き戻せない。事実としてさらに新しい層を積み重ねていく。だけど人は生きていく。否定しないで前に進もうとする。その姿の美しさ。そういう当たり前のことがご都合主義でほんのり切ない恋愛ドラマってだけじゃなく描かれた後半は、映像でしか表現できない何かをちゃんとフィルムに定着させていたな、と思ったよ。


物語の全貌を神様視点でなぜか理解している守衛の存在はちょっと余計だったかも。フツーにオススメ。