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映画「バニラスカイ」

バニラ・スカイ [DVD]

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DVDでバニラスカイを観ました。イライラしながら観ました。この映画は同じ内容の映画「オープンユアアイズ」のリメイクらしい。ペネロペクルスは前作でも同じ役を演じているんだそうな。


=あらすじ=(批評サイトからコピー)

親から受け継いだ遺産と会社の相続し、美しいガールフレンド、ジュリー(キャメロン・ディアス)も側にいて何不自由なく暮らす若き成功者デヴィッド(トム・クルーズ)。しかし、誕生日パーティーに親友が連れてきて女性ソフィア(ペネロペ・クルス)に一目で心を奪われる。一晩で恋に落ちたデヴィッドを待っていたのはジュリーの嫉妬だった。思いつめたジュリーが運転する車はデヴィッドの人生を一転してしまう。絶え間なく続く苦痛、醜く変わり果ててしまった顔。デヴィッドは真実の愛と自分の幸せとは何かを求めて旅を始める。


この映画は2時間15分あって、1時間45分が退屈だ。その理由はトムクルーズがただペネロペクルスとじゃれあいたかったために作りたい映画にしか見えないから。映画を作りたいんじゃなくて、ペネロペクルスと演じたいっていう気持ちが突出している演出や構成になっていると思う。


だからせっかくの配役が全然生きてこない。あんなにゴージャスなエロ顔&体で実際はやさしい性格っぽい役どころなのに、トムクルーズにセックスフレンド(ファックバディ)と言われる扱いを受けるキャメロンディアス、売れない恋愛作家で恋をするたびにトムクルーズに恋人を奪われる親友も、トムクルーズ役のわがままなボンボンっぷりに一方的に振り回されるだけで、事態が進展しないんだ。ただもやもやともつれるだけ。トムクルーズがキャメロンディアスをあっさり捨てて、ペネロペクルスに一目惚れする理由もよくわかんなければ、振られたキャメロンディアスがトムクルーズとすぐ無理心中したくなる気持ちもイマイチ理解できない。(結婚したいって気持ちと、オトナの付き合いじゃんっていう双方の気持ちのずれはわかるけど、すぐに無理心中するほどは追い詰められてない。そんな短絡的な描写でいいのか?)。つまりペネロペクルスに一目惚れするシナリオだから、周りの配役がそうなる以外ないっていう作り手の都合だけに思える。ペネロペクルスが特別やさしくも、魅力的でもないのに、とにかく天使っぽく演出されつづけるあの感じは種明かしを見おわった後も、なんだか後味が悪いんだよね。岩井俊二の「四月物語」を観たときのようないやな感じ。投稿エロ写真とか見ちゃった時のすんげえ寂しい感じに似てる。「作って楽しかった? へー、よかったねー」って感じ。同人誌じゃんそんなん。


でも最後の30分に、怒涛の種明かしが始まって、へー、ふーん、なるほどねーっていうジェットコースターに乗らせてもらうとイライラの半分ぐらいは、まぁ、そういうことならそういう演出も仕方ないかって気持ちになる。ただ全部見終わった後に映画全体を振り返って何が言いたかったのか考えると、結局何にも残らないことに気づく。主人公はどこにもたどり着いてないし、何も達成していない。思わせぶりな謎のちりばめ方、分かる人にだけ分かるオマージュ要素とか、時間の順列や虚実を交えた構成で、なんとなく高尚な話をしてるように見せてるだけだ。そういう空っぽさってすんげえ寂しい。主演俳優が動いている姿をただ2時間見れれば満足って人ならいいのかも知れないけどさ。


気に入った点と言えばタイトルの「バニラスカイ」が、映画を見終わった後に、あ、これいいタイトルだなって思えたとこかな。タイトルってこういう風につけるもんだよなって強く納得した。僕の今回レンタル代はタイトルに払いたいと思います。「オープンユアアイズ」なんて冴えないタイトルと比べると雲泥の差だね。素敵。


仕方ないので「オープンユアアイズ」も見てみるかなぁ。面倒くさいなぁ。



おまけ(すんげえ手前味噌だけど、脳内世界の話としては僕が昔に書いた短編小説の「マーマレイド」に考え方が似てると思いました。気が向いたらストーリーズの中にいつか載せておきます)