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映画「椿山課長の七日間」

DVDで映画「椿山課長の七日間」を観た。心筋梗塞で突然死んだデパート店員の西田敏行が、天国の手前で、7日間だけ別の肉体を得て、生前遣り残したことを整理するという話だ。以前「この胸いっぱいの愛を」という映画を見た。何人かが事故で同時に死んで、なぜだかタイムスリップした過去で遣り残したことを整理するところが一緒で、でも「この胸」は登場人物のエピソードが絡み合わず、群像劇である意味合いが薄かったんだけど、「椿山」はお互いが絡み合う仕組みがちゃんと入っていて、同じ話の完成型と言った感じだった。面白いのは「ちょっといい話」の体裁を取りながら、その道中で知らなくていい身内達の真実に翻弄される姿だ。でも俳優のセレクトのせいか、全然どろどろしないで、そこがコミカルでかわいらしい。主役の伊藤美咲は死んだ西田敏行の役をやるんだけども、演技力がないことが逆にいいなと思えた。と言うのも、心と体が噛みあってないから、台詞回しも仕草もいろいろ不器用なんだな、と感じられたから。他の若手達も同様にから回り感だとか足りなさが逆に味になっていた。もうちょい説明台詞(モノローグ)を端折ってもいい感じがしたけど、大事なシーンは台詞を言わずに仕草などの細かい演技が効いてて、それが登場人物たちの心情を伝えるようでぐっときた。久々にすっきり楽しめた映画だった。80点。