2003-01-05

あやふや

diary

仕事がうまく進まなくて気がついたらゼルダとポケモンをクリアしてしまった。

ゼルダは、今までの歴代ゼルダの中でたぶん2番目につまらなかった。もちろん一番つまらなかったのはカプコンが作った「不思議の木の実」だけど。「風のタクト」の場合、単純作業を延々やらされた果ての最後のダンジョンがあんなへぼいなんて悲しすぎる。こんなのゼルダじゃない。認めたくない。ボリューム水増し分を丸々削って「外伝」ってラベルをつけるならちょうどいいかも。あるいは「後編のハイラル大浮上編に続く！」とか。お話の中で正義と悪の関係がものすごいあやふやだったのも達成感のなさに拍車をかけた気がした。大体なんで妹を救出する話が伝説の勇者と世界平和の話とすりかえられているんだろう。おかしいよ。

ポケモンは、続編に求められるものというのをものすごく的確にわかって作っていて、サービス業としてのゲームとはどのようにあるべきかってことをさらに強く考えさせられた。初めて触る人と、全部をやってきた人とを両方に満足させるってこういうこと。継承と変化の割合とか、シリーズものとしてのボリューム感とかね。少なくとも前作を気に入った人を裏切っちゃいけないんだなっていうのが、最近の僕の考え。もし大きく変えたいなら2作掛けてゆったり変えるぐらいじゃないと。

昨日今日の買い物

WSC「キン肉マンII世　ドリームタッグマッチ」96円
WSC「ブルーウィングブリッツ」96円
PS「サラリーマン金太郎THE GAME」96円
PS2「ギレンの野望」1980円
本「model;Shiho」
本「経験を盗め」糸井重里
本「援交から天皇へ」宮台真治
本「カイジ　ギャンブルブック＆グッズ」
本「永遠のガンダム語録」
毛糸の帽子
DVD「青い春」

2003-01-05

映画「バーバー」

review

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ビデオで映画「バーバー」を見た。戦後まもないアメリカが舞台の、地味な床屋が主人公のサスペンス映画だ。ココアのような暖かい色合いのフィルムが大変心地よかった。主人公はひどく無口で、妻とは倦怠期。その届かずに漂う気持ちや言葉のメタファーなのかほぼすべてのカットでタバコをくゆらしている。ゆったりぽっかりと白い煙が膨らんでは霧散していく。

妻はデパートの経理士をしながら、主人公の友達でもある上司と不倫をしているような気がする。主人公も好きで床屋をやっているわけではない。そんなあやふやな日常をひっくり返したくて、不倫相手をちょっとした恐喝を試みる。いたずらにも似た軽い気持ちで。

のっぺりと進んでいくストーリーは予定調和かと思われる途中段階を経て思わぬ方向へと転がり始める。動き出した大きな運命の車輪がゆっくりと確実に主人公を翻弄していく。そうなってしまうともう誰にも予想がつかない。できるのはただ手に汗をにじませてその行き先を見届けるだけ。

登場人物の書き分けもはっきりくっきりとしてそれでいてあざとくない。ちょっと主人公がたいした行動もしないのに、周りが勝手に主人公に有利に動きすぎる点は村上春樹の小説っぽくも思ったけど。

感動的なぐらい切れのある構図や、タバコの煙が追いかける時間の流れ。匂いのある色。そこに確かに存在する「分かり合えない空気」。映像が、言葉や音に従属せずとも独立した強さをあらかじめ持っていることを強く気づかせてくれる。

僕も時々タバコを吸う。みんながどんな気持ちでいつもタバコを吸っているかはよくわからないけど、この映画のタバコの煙は、僕の考えるタバコの煙の「ある部分」をちゃんと表現していて、いつたどり着けるかわかんないで漂うそんな不安定な思いをココア色のフィルムにしっかり定着させている。