lovefool

たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

にじんでこぼれる(きまぐれとか )


真夜中に電話が鳴る。真夜中に電話を鳴らすような娘はひとりしかいないので「はい神様です」と出てみる。予想通りの笑い声が受話器の向こうから聞こえる。


今いいですか? おびえたみたいにそう言うけど、例えよくないと言ったって、君は続けるんだろう。いったいどんな顔で今この時間をいるんだろう。あの日なんの前触れもなくもう2度と会うことはないだなんて、あんなに僕を傷つけておいて、ケロッと忘れたみたいに笑ってみせる。やれやれ、ひどいもんだよな。


なんにもなかったみたいに、コトバが踊り出す。眠っていた感覚がそっと起きあがってくる。夜の寒さと静けさの中で、気持ちだけに形を与え、つかもうとする。時計の針がぐるぐる回る。


「もう一度あの部屋を作ってと言ったら、ねぇ、怒る?」。僕は頭がじんわり熱くなるのを感じ、それがゆっくり沈殿してゆくのを待つ。のどの奥がからからして、受話器を持つ手がしびれてしまう。やれやれすっかり翻弄されてるじゃんよ。


そんな中で思い出した昔のこと。

「平行線ってすごく遠くの方で交わるっていう式があるらしいよ?」


ホントかどうかなんて確かめようがない。でも傷つけたり、信じたりでしか、僕らは前に進むことができない。

マニマニ夢日記


またしても正宗。なんかくじ引きであたったんですよ。一日正宗と遊ぼう券みたいなやつ。僕はそう言うのをできる限り無駄に使いたいタイプなので、わざわざ小汚い居酒屋でぐだぐだする。もったいなくていいでしょ。共通点という意味か美大の話しになって、やっぱり基本はいたずら描きでしょうってなる。持っていた黄緑色のレコードジャケットにマジックで絵を描いてもらう。南極とペンギンの絵。うまい、ちょっとジェラシー。鍋を囲み、日本酒をがんがん飲み(僕は梅酒)、大笑いしているうちに正宗はつぶれてしまう。うつろな意識で溺愛する自分の子供のこと(僕はいると思い込んでいる)とか話している。僕はペンギンと南極に極彩色を塗りながら、親ばかは誰でも一緒だなーとかどうでもいいことを思っている。


僕は兵隊。煉瓦のビルでこれから始まる作戦のために待機していたのだけど寝坊。慌てて着替えて隊長のところに駆けて行くんだけど、作戦会議が長引いていてセーフ。窓の向こうには陽のあたる丘が見えて、あの丘を越えて戦車とかがやってくるっていう現実がよく飲み込めない。この部屋の床を照らす太陽だってすげえすげえ平和なのに、すぐに血にまみれたりすんの? マフィンとポーチドエッグの朝飯をかき込んで、隊長が来るのを待つ。なかなか来ない。天井に近い窓をこつこつと叩く音が聞こえて、目を向けるとコイビトが逃げ出そうと僕を誘う。逃げるったって、相当な困難が待ちかまえているだろう。だけど太陽の中で逆光に輝く彼女の白い袖は、いつかの天使みたいだと思う。