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CD「正直な人」松崎ナオ

正直な人
正直な人
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松崎ナオ
エピックレコードジャパン (1998-10-31)
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好き好き世界ランキングというものがあるとして、松崎ナオに関しては上位50位ぐらいに入る自信があります。そもそも誰が誰をどのくらい好きかなんて、他人と比べようもないことですけども。


Twitterのタイムラインで「夜中に松崎ナオはやばい」という発言を見て、久々にYouTubeで過去のPVに向かい合ったら、体中の水分が全部、涙と鼻水になって出て行きました。確かに夜はやばい。歌詞が表示される初期のPVは多角的に心に刺さりまくるので、普段の自分を保つための、心のいろんな支えが効かなくなってしまいます。ダム決壊。


「ベッドの中で悩み事について考えないほうがいい」と言う精神科医の意見を聞いたことがあります。ネガティブな何かを気にしながら眠りにつくのは難しい(精神と健康に良くない)、という理由と、頭が冴えていない状態で、つまらないことを考え続けること自体が生産的でない(まともな答えに辿り着かない)という2つの理由がありました。


でも究極のところ、悩みってなくなることはないし、どの角度からだったら悩みとしっかり向かい合えるのかを探すのが、生きる意味と糸口な気がしています。


松崎ナオは、そんな夜の気分にぴったりな暗くてつらくて切ないことを、やさしい声で唄う人です。彼女が歌を唄い始めた理由は「手紙が上手に書けなかったから」だそうでで聞いてみればなるほど、うまく届けられなかった想いが音と声の力を借りてあまりに鮮明に描かれています。


それは恋愛に限らない、人生の普遍的な切なさで、聞き手の心を揺さぶります。太宰治の小説が、自分と作者にだけしかわからないと錯覚するような共感をもたらすように、誰かの個人的な切なさが、まるで自分の起きたことのように感じられます。


この「正直な人」というのは2001年に発表されたファーストフルアルバムです。このアルバム以降、松崎ナオは段々に夜の雰囲気から抜け出て、次のアルバムでは「虹盤」という、太陽を意識させる彩り豊かな表現にシフトしていきます。メジャー契約が切れた今も、ライブ活動やインディーズレーベルでの音源発表に余念がありません。


そんな現在形の松崎ナオも、人生のそれぞれのステージという意味では、重要さは変わらないのですが、青春というテーマにおいて、この「正直な人」は10代から20代の、孤独な夜をこれほど代弁してくれたものはなかったと思える宝物です。


おまけですが、テレビドラマ「リング」では、松崎ナオの既成PV「白いよ。」がそのまま「呪いのビデオ」として流用されていました。光栄なんだかひどいんだか、よくわかんないエピソードです。

リクナビやマイナビなどの大手就活サイトは、『とりあえず就職しよう』という学生を相手に商売をしていて、最適なマッチングかどうかは本当は重視していない

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