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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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コミック「すみれファンファーレ」

両親が離婚した小学4年生の女の子すみれちゃんの物語。

なんとも言えない、漫画っぽくない、雑誌イラストっぽい絵柄でありながら、その行動や行間から小学生女子らしい機微がバシバシ伝わってきて、大人であればあるほど涙すること決定的な漫画です。


すみれちゃんは母子家庭で、でっかいメガネを掛けてて、明るい髪の色で、どこかアラレちゃんに似てるんだけどニーハイソックスで、好きなドラマは「相棒刑事」(相棒のことだとおもう)で、お母さんとお父さんのことが大好きという、特別珍しくもない女の子です。強いて特徴を言えば、周りに気を使いすぎて、それを察した大人が、離婚した両親を持つ子供として更に気を使って、そのことに時々参ってしまうようないい子です。


10歳として、気を利かすんだけど、けして利きすぎてないとこがリアルで可愛いし、そして切ない。10歳って、最初の親離れの歳でもある気がするし、反抗期や二次性徴前の、幼児から少年少女をを経て、男や女になっていく前のサナギみたいな、ぽっかりとした時期だと思うんです。


そういう子が自分で選んだはずもない境遇の中で、どうやって人生や対人関係に折り合いをつけて生きていくか、あるいは周りの大人がその子にどう接していくかが、それぞれの視点が演出され過ぎないちょうどいいバランスで描かれていて、その屈託の無さに「ちゃんとがんばってるね!」ってココロのエールを送りたくなるいい作品なんです。


子供には子供の、そして大人には大人のそれぞれ大事なことや視点があって、自分にはフツーで当たり前のことが他の人にとってはずっと憧れたことだったり、みんなからは悲しそうに見えることが本人にとってはそうでもなかったり、そのギャップにあたる部分が、すごくふんわりと優しく描かれています。生きてるといろんなことがあったりするけど、でもみんながいるから案外捨てたもんじゃないよ、と思わせてくれる、そんなお話です。