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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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テレビ番組「タイムスクープハンター」

NHKのドラマで、SF仕立ての歴史雑学モノと言ったところでしょうか。


未来の人が、歴史の正確なアーカイブを作るためにタイムスリップしてドキュメンタリーを撮影するという体をとっています。


特にすばらしいのは、主演の未来人に要潤を当てていて、その絶妙な胡散臭さと真面目さのバランスがなんとも言えないリアル感を生んでいるところです。まず真っ青な全身タイツを着ていますし、バイク風のゴーグルや、昭和の人が考えたような未来っぽい腕時計で通信します。頭はジェルかなんかでキラキラツンツンに固めています。この姿で江戸時代や室町時代なんかを取材しに行きます。だけど、いい意味で浮いてない。要潤以外のキャストが思い浮かばないぐらいのしっくり具合です。


それがわざとであるというのは、未来のオペレーターに杏を当てているところを見てもわかります。二人とも演技がずば抜けてうまいわけじゃないのに、人間的な迷いだとか、恐れだとかが目の前にいるそう言う人間のように、当たり前の事のように感じられます。


要潤の実況中継越しに、視聴者は過去の日本のありそうでなかった一面を見ることになります。歴史を記録するための行為ですので、未来のアーカイブを参照したり、超小型カメラを取り付けて定点観測したり、門外不出のシチュエーションに秘密の交渉術を用いてカメラと同席したりと、かなり立体的な理解を得たような感覚になります。平たく言うと賢くなった気にさせてくれます。


そしてもう一つ、50分のドキュメンタリー風番組でありながら、密着取材ならではの人情ドラマとしてきちんと完成させてくれる点です。歴史を題材にしながら、有名人ではなく無名の個人に注目して、「あったかも知れない事実、いたかも知れないいつかの誰か」に感情移入させてくれます。演劇風な過剰な演技と、ドキュメンタリー風の手ぶれカメラワークが掛けあってすごい臨場感を醸し出します。歴史に詳しく賢くなった気にさせてくれるだけでなく、見終わってすっきりする。あるいはほろっとする。こんないい番組なかなかありません。


シリーズはすでにシーズン3を終え、先日スペシャル版が放映され、シーズン4があるのかないのかやきもきしている段階です。DVDも出ているようなんですが近所のTSUTAYAにはおいてなく、コンプリート録画できたつもりでいたシーズン3も家のPS3のハードディスクが飛んで無いことになり、結局NHKのオンデマンドの有料放送に頼るしかないのか! でもなー! 再放送や新シーズンが来たらぜひ見逃さないよう、皆さんにお願いしておきたい、そんな2011年年末。


それでは良いお年を。