ガールズバンドと言えば、ここ数年はチャットモンチーの独壇場だったわけですが、真っ向からのライバル登場です。ライバルって言っても同じレコード会社のKi/oon Recordsなんであんまり意味ないですけど。がっつりと力強いロックサウンドであることも同じですし、何と言っても、ヴォーカルの顔が似てる! そして歌声もチャットモンチーが細くて高くて聴きづらく思っていた人には、ちょっと聴きやすいんじゃないかな。
ねごとってバンド名には惹かれます。3文字で覚えやすく「夢の中ならなんでも言える」っていうコンセプトだそうです。バンド名だけ聞いたらフィッシュマンズとかハナレグミみたいな、テンポが遅いダブ-レゲエ系の音を想像します。名前のふわふわした印象の割にはかなり実体感の強いサウンドだけどね。
メンバー全員が平成生まれ。意外なのはバンド形式でありながら、ヴォーカルの担当がキーボードであるということです。そういうのあんま聞いたことない。でも4ピースってどうかなぁ。センターがなさすぎない? 絵面的にはやっぱ3ピースのほうが映える気がします。
デビューミニアルバムと今回のシングルでまだ9曲しか発表されてないんですが、詞は、ほんわかした王道な恋の歌ですね。特徴がなさすぎるぐらい。ヴォーカルの子がほとんどを書いているようです。この点では詞を全員で書いているチャットモンチーの方が暗い情念系やストーリーっぽい詞もあってバラエティに富んでる気がします。でもねごとは歌唱力がすごい。感情的な詞じゃないのに歌い方に表現力があるので、世界観に奥行きが出るのも新人らしからぬ風格です。
「カロン」はLISMOのCMソングにも起用されているので、名前は知らなくてもこのサビを耳にした人は多そうです。大型新人があんまり出てきてない昨今、チャットモンチーをいい意味で脅かす存在になってほしいと思います。と言うか、音楽界を揺るがすような存在はいつでもウェルカムです。最近元気ないし。
個人的な目論見としては、ガールズバンドがモチーフのゲームなり、なんなりを作りたいなー。恋とバンドに引き裂かれる超モラトリアムな感じのね。