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映画「ヒックとドラゴン」

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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2010-12-17)
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いろんな映画批評サイトでかなりの高得点を出しているこの作品。映画館で観ておくべきだったと悔やんでなりません。


ドラゴンの襲来とその被害に長年悩まされているバイキングの国。そこで運動神経のない落ちこぼれの少年がドラゴンと共生する道を探す話です。「共生」というのは異なる文化を持つ同士が戦わずにお互いを認め合える社会の在り方だと思うので、武力で問題を押し倒そうとするアメリカからこういうテーマが出てくる事自体が、少し大きな進歩だと思うんです。


「難しいテーマを、子供にも分かる、そして飽きさせないテンポ感できちんと楽しく伝える」。そういうのって、僕がモノづくりをする上でも欠かせないテーマでありますが、この映画はそれを120点の実力で綺麗に結晶化させたすばらしい作品になっています。


キャラクターデザインも海外の3DCGの中では違和感がないほうだし、それぞれの性格付けもわかりやすく、声も似合った声優をきちんと当てているので、物語にすんなり入っていけます。また怖いドラゴンと心を通わせる子供向けの話でありながら、ドラゴンが安易に人間の言葉を話したり、愛玩的なアピールを全然しないのもすごくいいです。基本ドラゴンはずっと怖いんです。だからこそ向かい合おうとする気持ちに意味や価値が出てきます。


バイキングなので、幾多の戦いの中で体の一部を失った人が当たり前のように生きてるんですが、それが主人公にとってさえも他人ごとじゃないというのも「共生」に欠かせないひとつの大きなモチーフになっています。


ピクサージブリの映画を繰り返し何度でも見たくなるように、この映画もそういう傑作の部類に名を残すべき作品です。