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映画「リンダリンダリンダ」

リンダリンダリンダ [DVD]
バップ (2006-02-22)
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4人の高校生女子が、文化祭でBLUE HEARTSを演奏します。それだけの映画です。ものすごい練習を積んで栄光を勝ち取る!みたいなスポ根的熱い展開もないし、色恋をセンターに置くわけでもないし、グラビアアイドル的な瑞々しいビジュアルの4人というわけでもなく、テンションも低めなら、声も低め、でもどこかもやもやした想いはいつもあって、だからって爆発させるほどのものでもない。リアルにだらだらした日常が描かれていて、あ、文化祭ってこんな感じだったな、と思い出させる映画です。


思えば、高校生ぐらいの頃が一番「したいこと」と「できること」のギャップに引き裂かれていた時期のような気がします。雑念や誘惑が多すぎて、ありあまる可能性を絞り込む前に、もう、なんか考えるのもダルいや、みたいな。周りを見渡しても将来のヴィジョンも決まっている人の方が少ないので、目標があるならあるなりに、なければないなりに、同じような境遇の仲間探しには困らない、そんな時期です。


文化祭は、特にそんなもやもやした文系ノリの人たちの、ある種の瀉血の場としても機能していて、特に「全校生徒の前で、かっこよくバンド演奏」というのは、数ある妄想の中でも筆頭に位置します。


この映画の4人は、もともとオリジナルのバンドを組んでいたようですが、音楽性の違いだかなんだかのちょっとした喧嘩で空中分解している状態で文化祭を迎えます。でもバンドは元鞘に納まることなく、たまたま目の前を歩いていた韓国人留学生の子にヴォーカルを頼むことで、バンドとしての機能を取り戻します。留学生なので、日本語はほとんど話せません。


練習もたった2日しかしないし、バンドとして音を合わせられたのも数回と言う状態で本番を迎えているのに、4人の笑顔でバシッと映画が終わる時、その美しさに、自分がとっくにオトナになっていたことに気づきます。目的(演奏)のために手段(バンド)があるんじゃなく、手段のために、目的を作ったって、それを共有して一所懸命になってくれる仲間がいることのほうが価値があるし、最高じゃん。そんなことです。


迷える時間と言うのは、その時間でしか得られない大事なものを見つける旅だとも思うので、言葉の代わりに音でそれをぶつけあう仲間ってのは、その後、違うそれぞれの人生を歩んでいった後も、時折、お互いを思い出す大事な存在になるんだろうなと思います。思い出ってそんな風にできてくんだなー。僕は絵描きだったし、スポーツもまったくできないので、バンドのような興奮共有体験がほとんどないんです。まじ、うらやましい。