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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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ドラマチック

takanabe2010-04-13



ビデオテープからDVDに媒体が移った時、大容量を活かして映像特典をつける作品が多かった。大好きな映画やアニメのDVDを買って、作品だけじゃなくて、その背景や舞台裏も知れるなんて素敵じゃん! 奇跡が生まれた現場に立ち会ったみたいじゃんって興奮してたんだけども、それだけじゃないなぁと今は思ってる。


それは「ドラマチックなことが起きてない現場なんてない」ってことだ。例えば友達から、大して興味のない映画のDVDを借りる。実際見てみて65点ぐらいの微妙な感想を持つ。で、見る必要のない映像特典で舞台裏を見る。すると本編がどうしてそうなっているかを違う視点で見ることになり、作品の理解が立体的に深まる。こうなるともうお客さんの立場ではいられなくなって、現場に同情してしまう。身内だ。


これって、人と会って、その人の生き様みたいなのをじっくり聞いたときの感覚に似てる。どんなに薄っぺらくいい加減に見える人にも、そこに至るまでの必然性やプロセスを知れば知るほど、もう他人じゃいられなくなる。正論や一般論はどんどん意味を失って、その人のトラウマや届かない夢や抱えている責任と摩り替わる。世界に「客観視点」なんて存在しないことを突きつけられる。世界平和なんてたぶん永遠に実現できないんだろうなーとか思ったりする。


だからこそ、日々一緒に生活や仕事を共にしている範囲の人たちには責任を持って向かい合わないといけないし、その傍らで困っている人たちに安易に手を差し伸べてはいけないのだとも思う。野良猫にえさをあげて癒されたりしてる場合じゃない。


それぞれの行動やその結果には、それぞれに理由があって、それぞれにドラマがあって、同情すべき意味がないものなんてない。そのすべてを追っかけて責任を負うのは不可能だから、自分にしかできない、やるべきことに、正しい順番でちゃんと手を差し伸べないといけない。「やさしさ」って結局のところ「自立」の一言ですべてまとまる気がしてる。