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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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救ったふり


名作と呼ばれるものには必ず「この感覚、自分にしか分かるまい」っていう要素が入ってるんだって。受け手が自分と作者にしか分からない感覚を共有しているように感じるという意味。例えば「人間失格」みたいなことだけども。


でもね。それって社会的にはネガティブと思われて普段黙殺されている自我だと思うんだよね。そう思うと「ダメな自分をそのまま楽しく肯定してくれる」っていうところは悪魔的な作用だと思うから、創作の中でそれが意識的であれ、無意識であれ、誰かのネガティブを肯定するのは、なんかなーって思いがいつもある。


ゲームに限らず小説でも映画でも音楽でも、受け手として必要以上に入れ込みがちな人って言うのは、やっぱ普段そのままの自我を社会に受け入れられてないんじゃないかって思う。その観点から、創作物が「許しの場」として機能している割合がものすごい多かったら、個々が救われていること自体はそれぞれポジティブなのかもしれないけど、全体的には格差が広がっていくネガティブな行動のようにも思っている。個人を救ったふりして社会的にはもっと殺してると言うかね。


どんな作品も「どんな些細な命や気持ちも、生きる価値があることを肯定しているんだ」と大きくくれないこともないけど「ダメなままの君でいいよ」っていうのを主軸に置くのは、30代後半の僕視点だと、正直そろそろきつくなってきた。そっちのほうが儲かるのかもしれないけど、今はそこに加担したくないなぁ。