lovefool

たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

  ラヴフール(www.lovefool.jp) 

iPhone(6)


買ってみて、日本のプラスチックの携帯電話とはまったく異なる質感の高さに感動したものの、iTunesと同期するまではiPod機能やiTunes Storeの機能は使えないので、電車の中でなんだかよくわかんないなりにべたべた触りながら帰宅。すっかり手垢でコーティング。どこもかしこも陶器のようにツルツルなので、落として壊してしまいそうで怖いんだけど、シリコンケースやハードケースや保護フィルムの類は、現状まともなデザインのものがないし、せっかくの外観が台無しなので、大きな傷をつけない程度にラフに使うんだぜーという決意をしたものの、鞄やポケットに入れていても、何かの弾みで画面が割れそうな危険はどうにも避けられそうにないので、弱った。当分の措置としてカナ様が昔iPod 4G用に作ってくれた毛糸のケースが、丈が若干足りないものの、取り出しやすさ、弾力性、ハードキーをまさぐったりするのに具合が良かった。


家に帰ってiTunesにつないだ。14.5GBぐらいは自由に使わせてもらえるらしい。設定画面が出てきて同期が始まったんだけど、何故か曲を50曲ずつぐらい転送しかけたあたりで毎回フリーズしてしまう。iTunesやPCを再起動したり、iPhoneのスリープ設定をオフにしたりしながら、2時間ぐらい掛けて2500曲近くを転送完了。残り3GB、本体がものすごく熱くなっていた。


ところで初代から数えて5つのiPodを経ている僕は、iPod Touchを持っていない。何でかと言うと、音楽を聴く最中、僕はせかせかと次の曲に飛ばしたり、音量を変えたり、レーティングを変更したりするので、ハードキーがないと体感的に追いつかないんじゃないかって懸念があった。見た目のかっこよさはともかく音楽再生機としてはClassicタイプ(Click Wheelがついているもの)のほうが断然操作性が高いのだ。いちいち画面を見なくても操作できるしね。


でもiPhoneiPodに何かを足したものじゃなかった。ここが一番驚いて感動したところでもあるんだけど、iPhoneにとっての音楽ってのは「常に空気のように流れているもの」だと言う事。音楽の音符一つ一つに向かい合うように高級なヘッドフォンで孤立した世界を作り出す今までの音楽プレーヤーとは全然違う。


誰も教えてくれなかったけど、iPhoneのイヤフォンには、マイク機能を内蔵した「再生/停止」「早送り」ができるハードボタンが付いてた! ボタンと言われても「え? どれが?」と聞き返したくなるぐらいさりげなく、重さのないボタン。何を画面に出しているときでも、いつでも音楽を再生/停止・早送りできる。軽いフェードイン・アウト処理が入るのでとても品がよい。


例えば、音楽を聴いていて電話が掛かってくる。聞いている音楽が自然にフェードアウトして、着信音がヘッドフォンから聞こえる。ヘッドフォンのボタンを押すと通話開始、通話が終わると、何も操作しなくても自然にさっきまでの曲がフェードインしてくる。


webを見ながら、アプリを開きながら、スケジュールを確認しながら、音楽は常にそこにある空気のように存在している。通話や動画を開いたときだけ、スッと空気を読んで演奏をやめる。この感覚って何だろう。あらゆるポータブル機器って、自分の部屋の機能を外に持ち出すために進化し続けているけど、その孤独感ってすごい周囲を遮断している感覚があって、そこが嫌なんだけども、iPhoneの音楽の在り方って、なんかちょっとしたアシスタント(知性)がそばにいるような、そんな気持ちになる。だからこの場合の音楽は「向かい合う」姿勢じゃなくて、エアコンのような感じ。操作性によってスポイルされている部分はあっても、すでにもう意味が違うんだった。だからもうiPhone用に高級ヘッドフォンを買うのは止めた。


こないだまでPHSW-ZERO3[es]を使っていて、これには高解像度な画面も、タッチパネルも、電話、メール、web、音楽動画再生、カメラの機能も一通り付いていたんだけど、それはやっぱ孤独感があったな。便利さ、機能で言えば、大差ない(あるいはW-ZERO3[es]の方が優れている部分もあったりする)はずなのに、少しも楽しくなかった。


例えば「コーヒーを飲みたい」という欲求があって「マクドナルドなら周りが多少騒がしいけど、たった100円でかなりまともなコーヒーが飲める」って感覚と「スタバの大き目のソファでちょっとゆっくりしたいな」っていう味以外の部分を求める感覚があったとして、どちらが正しいかどうかはあまり重要じゃなくて、どっちも同じ「コーヒーを飲みたい」でありながら、それぞれまったく別のところを満たしてるよなっていうような感じです。