夏を迎えても母の火傷は治らなかった。何度も包帯を替え、病院でもらった塗り薬を塗っても、ほんとに効いているのか私にはよく分からなかった。 「水が欲しいわ。あの水‥」 母は熱にうなされているのか、うわごとのように庭の枯れた井戸の事ばかりを口にした…
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