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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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学ばない

takanabe2010-05-12



仕事で、普段の僕なら興味がない、もしくは食わず嫌いで避けていた題材の本だの、漫画だの、映画だのをたくさん観ている。古今東西おかまいなし。いや、題材に限らず、そもそも本とか一切読まなかったしね。すんません。


世の中は日々便利になったり、清潔になったり、緻密になったり、安く早くうまくなったり、社会的に弱い人に優しくなったりして、どんどんましになっているに違いないと思っていたけど、人間が物語や事件の中で悩んできた事って、時代に関係なく普遍的なものが多すぎて、結局何にも進歩(解決)してないんじゃないの?っていう気になったりしている。


法律や税金の流れをいくら整備しても、それはそういう取り決めでしかなくて、昨日まで取りこぼされてきた何かをすくい上げると、その一方で今日まで保証されていた何かがこぼれ落ちたりする。その繰り返し。片方で「節約のための圧縮」と呼ばれたものが「いざという時の備え」を丸々削ることになって、その「いざという時」がそういうタイミングを図ったようにやってきて、にっちもさっちも行かなくなったりなんていうのはざらだ。


文学だの、名作だの、アートだのって呼ばれて受け継がれていくものには、そういう普遍的な欺瞞、システムのほころびや限界にスポットを当てているものが多くて、いつどんなタイミングで読んでも古くなってないし、新たな解釈やインスピレーションを受け手に与える。ただ警鐘は鳴らしてくれても、解決策は書いていない。というか書けないんだと思う。解決しないからこそ色あせないのだとも言える。「やばいよね!」「まじやばい!」でもどうしようもない。終了。次の回に持ち越しだ。


生きていく上で本当に大事で本当に必要なことってそんなに数多くないはずだし、普遍的でシンプルなものが多いと思えるのに、進歩するのは道具やサービスばっかで、代償として仕事や利権を奪われて闇に消えていく人も多い。家族、仕事、健康の三大要素に絞って言えば、迷いや不幸や不安の質は変わってないように思えるし、むしろ混迷を極めているように感じている。なんかの名言であった「歴史から学べることは、人類は歴史から何も学ばないという事実です」って奴。あれ、皮肉じゃなくてけっこう真理かもね。